
【連載】10月の注目の新刊&オススメ絵本紹介 〜人気シリーズ最新刊編〜

10月は人気シリーズの最新絵本が、続々と出版されました。せっかくなので、ここでドドーンと紹介いたします。
シリーズになっているということは、たくさんのファンが続きを待っているということ。絵本選びに迷ったときは、シリーズ絵本をチェックするのもひとつの方法です。
★新刊★「ほげちゃん」シリーズ最新刊! 今回もいっぱい怒ってます!
まずは絵本界一、怒るぬいぐるみ「ほげちゃん」から、待望の最新作が発売です。
今回も、ほげちゃんはしっかりご立腹ですよ(笑)。
「ほげちゃんとおともだち」
作:やぎ たみこ
出版社:偕成社
ゆうちゃんが、初めてできたお友だちの家にお呼ばれしました。ぬいぐるみのほげちゃんもいっしょです。
そこには、知らないおもちゃがたくさん並んでいました。興味津々のほげちゃんはちょっかいを出してみますが、みんなじっとして動きません。「ちぇっ、つまんないの。いいよ、ひとりで遊ぶから」とはしご車を乗りまわしていたら、ドン! お人形のお城にぶつかってしまいました。
すると、いきなり悲鳴があがり……!
お行儀のよいおもちゃたちも、ほげちゃんのやりたい放題にとうとう堪忍袋の緒が切れたのです。ほげちゃんを追って部屋じゅうをかけまわり、大声で叫んで、手当たり次第ものを投げて……挙げ句の果てには、ほげちゃんと一緒にちょっとした「ズル」をしてしまいます。
でも不思議。みんなの顔は、なんだかとっても楽しそう。本気でぶつかりあいながら、おもいきり遊ぶ。
それは大人が介在しない、子どもの世界。ほげちゃんにも、初めてのお友だちができました。
大人気ほげちゃん絵本の第4巻。見返しに、ふたたびすごろくのおまけがついています。
ほげちゃんの怒りの原因は……? 絵本をチェック!
「ほげちゃん」シリーズの最新刊『ほげちゃんとおともだち』(10月7日刊行予定)の発売を記念して、偕成社ではSNSでのプレゼントキャンペーンが開催中です!
手作りほげちゃんの写真をハッシュタグとともにTwitter、Instagramにアップするだけ。入選された方16名様には豪華賞品が当たります!
★新刊★めでタイ! 25周年「せとうちたいこさん」新刊が登場!
怒りを発散させたあとは、大らか〜に「アルプス一万尺(いちまんじゃく)」でも歌いながら、富士登山してみるのはどうでしょう。もちろん、本当に富士山を登る訳ではなく、絵本の中での山登りです。
一緒に上ってくれるのは、今年25周年を迎える「せとうちたいこさん」。富士山とたいこさん、なんともめでタイ組み合わせですね。
「せとうちたいこさん ふじさんのぼりタイ」
作・絵:長野 ヒデ子
出版社:童心社
「ふじさん、ほれぼれする山だねえ〜」たいのおかあさん、せとうちたいこさんはふじさんにあいにでかけました。
「♪ノミがリュックしょってふじとざん」の歌をきいて、ふじとざんしたくなったたいこさん。こだいちゃんたちといっしょに、ふじさんにのぼります。
「ばんざーい!ふじさんのてっぺんだ!!」ちょうじょうでおにぎりをたべて、すばらしいご来光をおがみました。たのしかったね。ふもとで銭湯によってかえりました。
長野ヒデ子さんのご近所からも富士山が見えるのだそう!
★新刊★『はやくちこぶた』の続編は“あの”オオカミが主役?
昔話「3匹のこぶた」と「はやくちことば」が合体した、ユニークな言葉あそび絵本『はやくちこぶた』。その続編ともいえるおはなしが、なんと13年の歳月を経て、発売されました! その名も『おおかみのはなし』。どうやら『はやくちこぶた』でこぶたたちを狙っていた、“あの”おおかみが主役のおはなしのようです。さあ、今回はどんな展開になるのでしょうか?
「おおかみのはなし」
作:早川 純子
出版社:瑞雲舎
昔々の昔から、おおかみと言えばこぶたを追いかけるのが大好きですが、そんなおおかみがある日、ころんで歯を折ってしまいました。痛くて何も食べられず歯医者に行ったのですが、怖くてなかなか中に入れません。その様子を三びきのこぶたに見られてしまい、歯医者に行けと村じゅうを追い掛け回されるはめに。
ふらふらになったおおかみが、最後にたどり着いたのは? ことば遊び絵本『はやくちこぶた』の三びきのこぶたとおおかみが、繰り広げる楽しいお話。
やっぱり、おおかみはこぶたを狙っていますね……。
●『おおかみのはなし』と一緒にコチラもチェック!
「はやくちこぶた」
作:早川 純子
出版社:瑞雲舎
「はやくちこぶた」劇場がはじまるよ!
さぁ、期待通りのお馴染みの早口ことばから早速始まります。
やっぱり最初はこれでしょう!
「なまむぎ なまごめ なまたまご」
更に次々と続きますよ、定番早口ことばのオンパレードです。
この絵本が一味違うのは「はやくちこぶた劇場」だと言う事。
一緒に夢中になって早口ことばを読んでいるうちに、いつのまにか物語がどんどん進むのです。
このスピード感とユニークな発想が絵の雰囲気ともぴったり。独自な面白い趣向の絵本に仕上がっています。
これは、幅広い年齢層で楽しめそうですね。早速トライ!
絵本ナビでは、2016年に作者の早川純子さんと、瑞雲舎 井上みほ子さんにお話を伺いました。
★新刊★心を育てる「きりかぶ」シリーズ三部作!
「そらまめくん」シリーズや「どんぐりむら」シリーズなど、子どもたちに大人気の絵本を次々と生み出すなかやみわさん。その中でもこのシリーズは、主人公が「きりかぶ」、しかも、おじいさんとおばあさんという、ちょっと珍しいタイプの絵本ではないでしょうか。
でも、読んでみるととても温かく、やさしい気持ちになれるだけでなく、きりじいちゃんときりばあちゃんのファンになってしまうこと間違いなし! 三部作揃えて読んでみることをオススメします!
「きりかぶの きりじいちゃんと きりばあちゃん」
作:なかや みわ
出版社:小学館
なかやみわ著『きりかぶ』シリーズ第三弾
年をとってきりかぶになったきりじいちゃん。ある日、自分と同じきりかぶをみつけました。きりじいちゃんはきりばあちゃんに大きな声で話そうとしますが、お互いに耳が遠くなっているので、うまく話すことができません。それを見ていたこりすが伝言役を引き受けます。毎日こりすはふたりの伝言を伝えに行きますが、ある日、伝言を忘れてしまいます。それを見ていたこねずみたちが今度は代わって伝言役を引き受けます。ところが、伝言をしているうちに言葉がへんてこりんになってしまいます。それを見ていたうさぎのきょうだいがふたりに糸電話を作ってあげることにしました。糸電話で直接お話をするとよく聞こえて話も弾みます。昔話をしているうちに、きりかぶになった今がいちばん幸せだとふたりは感じます。
【編集担当からのおすすめ情報】
5月発売既刊『きりかぶのきりじいちゃん』、7月発売既刊『きりばあちゃんのともだち』に続いて、今回発売の『きりじいちゃんときりばあちゃん』のきりかぶ三部作は心を育てる絵本です。
★新刊★読んだらあなたも作りたくなる!「ポポくん」シリーズ最新刊。
かばのポポくんが、いろいろな物を作る「ポポくん」シリーズ。「うしろにいるのだあれ」シリーズや『とんでいったりんご』などで人気のaccototo ふくだとしお+あきこさんが2009年から続けている、絵本シリーズです。
毎回”何かを作る”ことがテーマになっている「ポポくん」シリーズ。今回は、パン作りに挑戦します。でも、おばけのためのパンって、一体どんなパンができあがるのでしょうか?
「ポポくんのおばけパン」
作・絵:accototo ふくだとしお+あきこ
出版社:PHP研究所
ポポくんと友だちは、腰をいためてしまったヤギのおじさんの代わりに、パンの配達に行くことになりました。まずは、まちへ配達にむかいます。文房具屋のひつじさんに「ぶんぼうぐパン」。楽器屋のろばさんに「がっきパン」……。つぎは、山への配達です。粉ひき小屋のたぬきさんに「このはパン」。きこりのいのししさんに「たけのこパン」……。そして、最後は灯台島です。おさるさんには「バナナパン」。あしかさんには「ボールパン」……。
配達からの帰り道、ポポくんたちの横を冷たい風が通り過ぎ……。なんと、そこには、おばけが! 「ぼくたちのところにも、パンをはいたつしてちょうだい」
驚いたポポくんたちでしたが、ヤギのおじさんに協力してもらい、おばけのためにパンを作ることにしたのです。「おばけうさぎパン」や「しましまおばけパン」など、いろんな形や味のパンをたくさん作りました。
焼きあがったパンを持って森に向かうと……。
★新刊★探し絵もおはなしもどちらも楽しみたい人にオススメ!
『どうぶついろいろかくれんぼ』などの「かたぬき絵本」シリーズで有名な、絵本作家・いしかわこうじさん。10月に出版された新刊は、おはなしと探し絵がたっぷり楽しめる「パンダくん」シリーズの2冊目です。
今回はおにぎりを探すということで、白黒の探し絵がたくさん出てきます。パンダくんと一緒に、おにぎりを見つけてみてくださいね。
「パンダくんのおにぎり」
作・絵:いしかわ こうじ
出版社:ポプラ社
パンダくんとおかあさんは、山登りにやってきました。「てっぺんについたー!」頂上に到着したパンダくんが、大きなおにぎりを食べようとしたら……!? ころころころーん。パンダくんのおにぎりが、斜面を下り転がっていってしまいました。
「ぼくのおにぎり、どこー?」パンダくんも、おにぎりを追いかけて山を下っていきます。しまうまに出会い、うさぎのピアノリサイタル会場、ペンギンのスケート場を通っていくと……やっとのことで、おにぎりを見つけることができました! おにぎりは、どこにかくれていたのかな?
パンダくんは、見つけたおにぎりを、おかあさんと牛さんと一緒に食べました。みんな、美味しい味に大満足。それから、牛さんの口コミでパンダくんのおにぎりが山で評判になり、パンダくんはおにぎり屋さんを開店することになりました!
おにぎり探しとストーリーを楽しめる絵本。
●『パンダくんのおにぎり』と一緒に、こちらもチェック!
「パンダくんのおつかい」
絵・文:いしかわ こうじ
出版社:ポプラ社
『どうぶついろいろかくれんぼ』などのかたぬき絵本シリーズで有名ないしかわこうじさんの、絵探し絵本。かわいいパンダくんが大活躍! 2歳からの子どもにぴったりの絵探しを通じて、色彩豊かないしかわこうじワールドを楽しめます!
巻末にはパンダくんの夕食レシピも付いて、食育絵本としても楽しめます。
★新刊★なぞなぞの答えは絵の中に……。
子どもたちが大好きななぞなぞ。でも、小さい子は、耳で聞いた言葉だけで答えを見つけることは難しいですよね。「なぞなぞえほん」シリーズは、絵本の絵の中になぞなぞの答えが描かれていて、それを見つけだして遊べる絵本。絵を「よく見る」小さいお子さんにピッタリのシリーズです。
最新刊『なぞなぞのにわ』の絵を担当したのはイラストレーターとして活躍する中上あゆみさん。有名ショコラブランド・ジャン=ポール=エヴァンの2020年バレンタインパッケージを担当し、注目を浴びました。1ページ、1ページ緻密に描かれた庭の佇まいはは、大人も息をのむ美しさです。
「なぞなぞのにわ」
作:石津 ちひろ
絵:中上 あゆみ
出版社:偕成社
大好評の、絵の中からなぞなぞの答えを見つけだして遊べる絵本のシリーズ第4弾です。
春夏秋冬……季節ごとにさまざまな魅力を見せる庭の絵の中に、なぞなぞ50問の答えが描き込まれているのを見つけ出してください。石津ちひろさんのリズミカルなひびきが楽しいなぞなぞと、中上あゆみさんが緻密に描かれた庭の絵を楽しめる一冊です。極細の筆で、ていねいに一枚一枚描かれた花びらや葉は、絵の中を風が吹き抜けるような爽やかさに満ちていて、見るだけでも庭の中にいるようなこころもちになります。今回は絵の中に隠し絵もあります。
★新刊★『かいじゅうたちのいるところ』を英語で楽しもう。
世界の名作童話や昔話を、英語・日本語の両方を朗読で楽しめるバイリンガルCD付きの英語絵本シリーズ。
最新作には、絵本界の巨匠、モーリス・センダックが生み出した名作『かいじゅうたちのいるところ』が登場です。
子どもの英語教育は気になるけど、何から始めたらいいか分からないと悩みを抱えるパパママ。世界中の子どもたちが読んでいる名作絵本を原書で聴くことからはじめてみるのもオススメですよ。
『おやすみなさい おつきさま』CD付き英語絵本の発売を記念したインタビューです。
●物を大切にする気持ちが生まれる「かいぎ」の会場はコチラです。
身の回りのものたちが、子どもたちがいない間にこっそり集まって話し合う「会議」。本を読んだ子どもたちは、みんな、時計や鉛筆、冷蔵庫たちが、こんなに自分のことを考えてくれていたなんてと驚き、嬉しいようなくすぐったいような気持ちになる絵本です。
その3作目となる『おめでとうかいぎ』は、誰もがドキドキワクワクする「入学式」のおはなし。コロナ禍で卒園、入学がいつも通り行われなかった子どもたちもちょうど半年。もう半年、まだ半年……。いろいろな思いを持ってページを開きたい作品です。
「おめでとうかいぎ」
作・絵:浜田 桂子
出版社:理論社
卒園の日。なかなか眠れないゆうきくんは、スペシャルゲストとして通園バッグたちが開く「おめでとうかいぎ」に招待されます。そこで待っていたのは、ゆうきくんを見守ってきたものたち。思い出とともにお祝いが伝えられます。
編集者コメント
卒園の「さようなら」と入学の「はじめまして」。期待そして不安…いろいろな気持ちがおしよせる、別れと出会いが同時にやってくる時を、やわらかくすくいあげた作品です。主人公をこれまで見守ってきたものと、これから見守っていくものたちが一堂に会し、お祝いします。夢かうつつか、一度でも自分に向けられる想い、愛をしっかり受け取ることで、無意識にも自分は応援されている存在なのだという安心感が生まれることでしょう。
浜田桂子さん直筆のメッセージ色紙が当たる、キャンペーン開催中です。締切は2020年11月末まで。 プレゼント企画へご応募下さった方全員に、浜田桂子先生の描き下ろしの「おめでとうカード」も届きます。くわしくは『おめでとうかいぎ』の帯をチェック!
●エリオットと一緒に都会を抜け出し、自然を感じませんか?
水玉模様のキュートなビジュアルの主人公と、古き良きニューヨークのレトロな街並み。そこから紡がれる繊細でメッセージ性を持つストーリー。その三つが合わさり、多くの読者を魅了する「ちいさなエリオット」シリーズ。中でも『ちいさなエリオット たまにはとおくへ』は、エリオットがはじめて大きな街を離れ、田舎へ旅する、シリーズの中でもエリオットの成長を強く感じる一冊です。
「ちいさなエリオット たまにはとおくへ」
著:マイク・クラトウ
翻訳:福本 友美子
出版社:マイクロマガジン社
エリオットは水玉模様のちいさなぞう。
仲良しのねずみとおおきなまちで暮らしています。
でも、このまちはときどき、
きたなかったり……
うるさかったり……
にぎやかすぎたり。
そこで、ねずみが言いました。
「たまにはとおくへいこうか! 」
大自然のなか、おいしそうなパイのむこうにあったのは
ともだちからのすてきな贈り物でした。
優しい心を育む絵本。
1940年代のニューヨークをモチーフにした写実的な描写と
キュートなキャラクターで、数々の賞を受賞したハートウォーミングストーリー。
大人気「ちいさなエリオット」シリーズ第四弾
自然豊かな風景の中に、溶け込まれていきそうですね。
★10月の新刊&オススメ絵本動画公開中!