前作『てんやわんやおてつだいの巻』で、すっかりおてんばみつひめのファンになってしまった方も多いのではないでしょうか。みつひめは、はちのす城に住むお姫様。沢山の家臣にかしずかれ、何不自由ない暮しをしているのです。美しい着物、上品な豪華なお部屋、上品なおもちゃ・・・でもちょっと退屈、好奇心の赴くままに飛び出してしまうことも。わが道を行くみつひめですが、他人を思いやる気持ちもちゃんと持っていて、一緒に楽しい気持ちになれるのがこの物語の魅力なのです。
今回の舞台は夏!大好きなおっちゃんばち達とこっそり夏祭りに出かけます。わたがし、わなげ、お面やさん・・・見るもの全てが目新しい。みつひめのはしゃぎっぷりは想像できるでしょう。ところが突然の雷に花火大会が中止。それを聞いたみつひめは・・・?みつひめの判断力と行動力に成長を感じてしまいます。頼もしい!
さて、この作品のもう1つの大きな魅力は何と言っても「虫」。ご存知作者の秋山さんはかなりの虫マニア。こんなに楽しくて可愛らしいお話なのに、登場する虫達をよーく見ると本当にリアルに描かれています。更にそれぞれの虫の特性を生かした仕事、キャラクター、着物。どこまでも徹底していて、見れば見るほど楽しみは増えていくのです。子ども達がこれを見逃すはずはありません。図鑑片手に読んでも楽しめるかもしれませんね。あ、虫が苦手だというお母様方も決して怖がらなくても大丈夫ですよ。なぜだか本当に愛嬌がありますから。特別付録「さがしてみよう!」も付いています。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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