軽快で楽しい「たべものあいうえお」。
最初に登場するのは、
「あっちゃん あがつく あいすくりーむ」。
最初のページを見た途端、思わず声が出ちゃうはず。
「おいしそう」「可愛い」「…でも、やっぱりおいしそう!」
手足のあるアイスクリームさんたちが4人(?)、いい表情をしながら歌って踊っているのです。
カップアイス、棒アイス、もなかアイス…
何だか目に馴染みのあるようなアイスばかり。
子ども達の目が釘付けになっている様子が簡単に思い浮かびます。
隣のうたのページにも“あの”小さくてチョコでくるまれたアイスくんたちが登場しています。
次に「いっちゃん いがつく いちごじゃむ」。
ああ、なんておいしそうないちごジャム、塗られてパンが喜んでいるよ!
…なんて、いちいち解説していたら時間がいくらあっても足りません。
だって「あっちゃん」から始まって、「わっちゃん」どころか「ばっちゃん」「ぺっちゃん」、「んっちゃん」まで!?
濁音、半濁音も含めて69音すべてが登場するんです。
ものすごい数のおいしそうで可愛らしい食べ物たちが出てきちゃうんです。
背表紙も分厚いのです。
1ページ1ページそれぞれの絵にストーリー性が見えてきて、
更にお互いにつながっているところもあったりして。
とにかく読み応えがすごい。いくらでも楽しめて、すっごくお得な気分になれる絵本なのです。
子どもがゆっくりと言葉遊びをしている横で、お母さんは思う存分食べ物の絵を堪能できちゃったりもします(笑)。
おいしそうな食べ物を描かれる画家さんを無条件に信頼してしまう…というクセがある私なのですが、
この一冊で当然のごとく、すっかりさいとうしのぶさんの大ファンになってしまいました。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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