ねこのミーちゃんには、もうすぐ赤ちゃんが産まれます。
ゆうちゃんは友達のあっちゃんと一緒に、赤ちゃんの誕生を毎日楽しみに過ごしていました。
そして、ついにその日がやってきました!
ふたりの見守る中、箱の中で3びきの子ねこを産んだミーちゃん。
「ミーちゃん、すごいなあ。いっしょうけんめい おかあさんに なったんやなあ」
「ミーちゃん、がんばったなあ」と、いつものように撫でようとすると、
フゥーッ!
ミーちゃんは毛を逆立てて、ものすごく怖い顔で怒って・・・。
命がけで子どもを守るミーちゃんの迫力。
子ねこたちの小さな体のあたたかさ。
はじめて経験する出来事に、ゆうちゃんとあっちゃんは何を感じたでしょうか。
みどころは、片山健さんの描く生命力あふれるのびやかな絵。
ねこも人間も同じ、母子を繋ぐ命の輝きが、読み手の心にまっすぐ届きます。
ゆうちゃんがお母さんにふとんでだっこしてもらう場面の美しいこと!
「すこやかな心をはぐくむ絵本」、シリーズ完結12巻目。
「いのち」を見つめる子どもの心を、あたたかいまなざしで描いた一冊です。
生き物の命、自分自身の命。言葉で伝えるのが難しいテーマですね。
けれども、ゆうちゃんの心の動きを見ていると、命を慈しむ心とは、
本当はとてもシンプルに伝えられることなのかもと気づかされます。
この絵本が親子で語り合うきっかけになりますように。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
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