子どもたちよ 灯台のようであれ!
くらやみで 航海できない人たちのために 明りで 行く手を 照らすのだ!
20世紀ロシアを代表する革命詩人が、悲劇的な自殺をとげる4年前、子どもたちへ、あたかも遺言のようにして託した希望のメッセージ。
1920年代のソビエト絵本の黄金期を代表する傑作が、世界的にも貴重な初版本をもとに、初めての日本語版として実現。
ロシア文学者亀山郁夫氏、絵本研究家・JBBY会長島多代氏が巻末エッセイを寄稿。
亀山郁夫氏の巻末エッセイより
思えば、ウラジーミル・マヤコフスキーほど、20世紀ロシアの歴史が歩んだ矛盾を象徴する名前はない。1930年4月、「灯台」は自殺によってみずから光を消し去り、その60年余の歳月を経た1991年、「理想社会」の歴史は幕を閉じた。しかしこの事実をもってしても、マヤコフスキーがこの絵本に託したメッセージが色あせることはない。なぜなら、献身や自己犠牲の精神こそは、時代や国境を越え、すべての人間が共有すべき、もっとも大切な人間的価値であり、かつまた人間であることのもっとも気高い証だからである。
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