暗い森の奥深く、ネズミが歩いて行きますと、おなかをすかせたキツネに出会います。ごちそうにしたいと思ったキツネはネズミをお昼に誘いますが、ネズミは「ぼく、これからグラファロと食事をする約束なの」と言葉巧みにグラファロという恐ろしい怪物の作り話をしてキツネを追い払います。また、歩いて行くと今度はネズミを食べたいフクロウ、そして次にヘビに出会います。ネズミは同じようにグラファロの話をして無事天敵から逃げるのですが……。どんどん歩いて行くその先には、なんと本物のグラファロがいるではありませんか!
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「グラファロ」は恐ろしいきばをはやし、オレンジ色の目と黒い舌を持つ、世にも恐ろしい怪物。ネズミが作り出した架空の生き物であったはずでしたが、本当に出会ってしまったところにおかしさが生まれます。リズム感あふれる文章、親しみのあるイラスト、お話の展開……どれをとっても子供を魅了するには十分過ぎる要素がつまった愉快なお話です。機転をきかせる小さなネズミ対グラファロのやりとりが見ものですよ。1999年英国スマーティーズ賞受賞作品。 ――(ブラウンあすか)
森の中、動物たちに狙われそうになるネズミくん。グラファロという恐ろしい怪物と食事をする予定なの、と架空の動物に言及して巧みに天敵を追い払いますが、トコトコ歩いて行くと何とそこには本物のグラファロが待っていました……。
英語名は「The Gruffalo」。リズミカルな英語をみごとな邦訳で表し、原文の持つ面白さを失うことなく楽しめます。英国の子供たちによって投票されるスマーティーズ賞受賞というのも納得。展開が面白いし、文章が軽妙だし、イラストも親しみやすく絵本として文句なし。英語圏では高く評価されています。
たとえばへびが逃げて行く場面の「びっくり、しゃっくり、それっきり! さよなら、ネズミくん」。同様にフクロウは「たまげた、こまげた、ひよりげた! さよなら、ネズミくん」。最後にきつねは「たすけて、ほかけて、あしかけて! さよなら、ネズミくん」。英語のリズムや韻は訳すのが難しいけれど、久山太一さんのみごとな言葉遊びに心から敬意を表します。
面白い絵本はないかな? とお探しのお子さんに絶対おすすめです。就学前後のお子さんから。 (ムースさん 30代・ママ 男の子8歳、女の子3歳)
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