本読みしながら涙腺が…
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投稿日:2009/02/16 |
6年生の朝の読み聞かせ。
読み終わったら、クラス中がシーンとして僕を見つめていた。この感動は初めての体験。(ヤッターと思った)
6年生の読み聞かせって、本選びも難しいし、読んでいる途中の反応がまちまちで、読んでいる時不安なんだよね。
この本、息子と同じ6年生の読み聞かせに選びたかった本でもあり、とても不安な本でもありました。
幼稚園の時に交通事故にあって意識不明のまま寝たきりのお姉ちゃん。
ひとりマラソン大会に飛び入りで頑張るゆうすけ。お姉ちゃんとの心の会話がとても素晴らしい。このなっちゃんを中心に、家族愛が展開されます。
ただ、躊躇したのは、寝たきりのなっちゃんの初潮が重要なポイントになっていることです。思春期をむかえる6年生にどの様に取られるだろう。しかも、男の読み聞かせ。
心配だったので、読み聞かせサークルの女性リーダーに相談しました。実際に読んでもらって、大丈夫とお許しが出た作品だったのです。
この絵本の中で、なっちゃんが初潮をむかえた日にお父さんの言った言葉があります。
「あきらめないぞ、生きつづけるぞ、なっちゃんはそういっているんだね。おとうさんはなっちゃんからまたひとつ、大きな力をもらったぞ。ありがとうなっちゃん。」
この一言を伝えたかった。これは、梅田俊作さんの言葉であり、自分が息子に伝えたいメッセージでもあります。
読み聞かせをしながら、この所で泣きたくなってしまう。
物語は、片づけられたマラソン大会のゴールで、お父さんとお兄さんが待っているところで終わります。ゆうすけは、友達にはげまされながらゴールイン。
私が教室を出るまで静かだった6年生のみんなに、この話がどのように受け止められたかは分からないけど、きっと私の思いの何かをつかんでくれたことと思います。
「卒業する君たち、がんばれ!」
ちなみに、この話は実話を基にしています。
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第一級の環境保護絵本です
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投稿日:2009/02/11 |
この絵本、物語が絵に囲まれて、いかにも著者の思いが前面に出ている。
それでいて、その文字が絵の一部であるかのように、周りを囲む絵の細やかさと調和していて、素晴らしい。
話は、木の精の話。
木の精が、村人たちと共存していたときは、自然はみんなのものだった。森のめぐみを分かち合い、自然のめぐみ以上のものを欲しなかった。
この均衡を破ったのは、人の欲望である。そして、村人たちの素朴な生活を崩していく権力である。
権力は住民を引き離し、利益を上げるために欲望のまま商人や学者の協力者と手を結ぶ。
温室が作られ季節がなくなる。人工的に環境が変えられていく。
温暖化。無理に育てた木の中に魔物が生まれる。そして、商人や学者や権力に逆襲し、村人さえも土地から追いやってしまう。
最後は環境破壊…。(経済破壊でもある)。
この絵本、今そのものではないか!
この現代そのものを、著者はモクという木の精を通して語りかける。決して主張や説教でないところにこの本の重さと不気味さがある。
読み聞かせをしながら、この絵本は大人のための絵本だと思った。読み聞かせが終わって、子どもに説明できる大人になって欲しい。そんな絵本だと思った。
最後に、崩壊した土地から再生の芽が生まれているところが救いである。
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主人公も成長するんだね
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投稿日:2009/02/08 |
風来坊シリーズは、木彫りにかけては天下一品というお坊さんの大活躍する絵本。主人公は、無骨で人情味があって、とても親しみが持てるお坊さんです。
その中で、「さくらの里の風来坊」は、悲し過ぎる話で、風来坊が大きく成長した作品だと思います。目の前で、馬にはねられて死んでいく母親。シリーズの中で、初めて風来坊は人を救うことが出来なかった。自分では、どうにもできない、武士への怒りと、無力感。
風来坊は母親の古里を訪ねます。供養のため出来ることは、自分の悔しさをこめてやはり木彫りの観音像を作ること。観音像を手作りの祠におさめて、死んだ母親が見たかったという満開のさくらを見渡す風来坊の表情はとてもいい顔をしています。
風来坊シリーズ。
最初の「風来坊」では、荒削りなお坊さんでした。それだけ印象に残ったのですが。
「かえってきた風来坊」では、子どもたちを救い、権力に立ち向かい、正義感を力で表現していました。
「風来坊の子守唄がきこえる」では、火の中からすくった赤ん坊を親に返すまで育て上げる、人情味が出てきたお坊さん。お坊さんが親になりました。何もいわず子どもを親の手元に残し立ち去るお坊さんは、とても哀愁があって素敵でした。
「風来坊危機一髪」では、機転の利くお坊さんに成長していました。スピード感があって予想外の展開で最後にあっと言わせてくれます。シリーズの中で、息子が一番気に入った作品です。
そして、「さくらの里の風来坊」。お坊さんは、挫折を知り、一回り大きくなったように思います。子どもには、少し悲しすぎるかもしれないけど、このシリーズ、次の作品を見たい。
絵本のシリーズものというと、パターン化されていて、だんだん感動が薄くなっていくように思っていましたが、巻を重ねるごとに、主人公の成長を見せてくれる。
川端誠はすごいと思いました。
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史実を伝えるということ、事実を感じるとい
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投稿日:2009/02/05 |
息子と、夢の島の第五福竜丸を見学した。
展示された船のまわりには、広島に落とされた原爆の1千倍という水爆の恐ろしさ、放射能の怖さを示す様々な展示があった。
犠牲者の家族、特に漁労長のまだ幼い子どもの記録に胸を打たれた。
そして、多くの小中学校生が見学に来ていること、様々な言葉を残していることに驚いた。
過去の史実に触れるということ。
これは、とても重要なことだと思うが、過度の恐ろしさを子どもに植えつけ過ぎても、よくないのではないかと思う。
与えるだけではなく、消化させるためのケアが必要である。
博物館にいくつかの絵本と紙芝居があった。
この本は、息子が迷いつつ選んだ絵本である。
モノトーンの絵が、言葉少なに強く語りかける。
時折、絵はカラーになり、見るものを悲しみの奥深くに引きずりいれる。
絵は、写真よりも生々しくもなり、重くもなり、見る者に語りかける。
文は重くて、読み聞かせるのにも力がいる。
息子は、どの様に感じ、どの様に消化していくのだろうか。
自分が過去から引き継いできた史実を伝えるということ。
これも親として重要なことだと思う。
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自分がほんわりできる絵本
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投稿日:2009/02/05 |
息子の感想は二の次にして、この絵本をよんでとても心地よい気分になった。
姉さまの顔が実にいい。夫を思いやる純粋さがいい。自分もこんな嫁さんが欲しい。(などと思うと奥さんに叱られそう。)
昔話に出てくるお嫁さんは、概して実にご主人思いである。こんなに思われたら、力もわいてくる。(やっぱり奥さんにしかられそう)
しかし、我が家も純粋な時代があったのである(?)。
ひねくれ者の私は、この昔話の続編を考える。すなわち、現在の我が家である。(本当に奥さんにどなられそうな気がしてきた。)
お城で、仲の良い姉さまと、純朴な男は末永く幸せに暮らしたのでしょう。
そんな話はさておいて、とても声に出して読みやすい絵本だと思いました。
梅田俊作さんの絵が妙に艶やかで優しさに満ちていて素晴らしいと思います。
子どもに読み聞かせしながら、自分自身もほんわりできる、お父さんにお薦めの癒し絵本だと思いました。
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子どもに夢を
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投稿日:2009/02/05 |
息子が「きかんしゃトーマスシリーズ」をあまり読まなくなった頃、小学校に入る息子にと選んだ本です。
乙武洋匡のやさしい詩と、心地よいパステル画。
物語ではなく、小学校の四季に合わせて、見開き毎にドラえもんグッズが現れるのも楽しくて、今日はここ、今日はここと読んで聞かせたことを思い出します。
あれから、6年。息子は相変わらずドラえもんファンで、この絵本も大事にしてくれています。
この本を通して、あの頃息子に重ねていた夢と、現在のギャップは、子どもの成長のせいでしょうか。
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子どもの目
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投稿日:2009/02/03 |
八チンスの絵本は、シンプルでいて見ている子どもを参加させてしまう不思議さを感じます。
お母さんが作ってくれたクッキー。さあ食べようとした時、チャイムが鳴って友達が来る。友だちが多いのは良いことだけど、チャイムがなるたびに、だんだん自分の分が減っていく…。見ている子も自分の分がどうなるか気になり始めます。
チャイムが鳴るたびドキドキ。またチャイムが鳴って、友だちが増えたら足りない!。みんな息をひそめて固まってしまった時…。
奥様は、次の展開を読んでいましたが、子どもは数が気になるようです。
おい息子、ケチケチするなよ。
読み終わって、予想外の言葉を受けました。
お母さん、なんでずっと掃除してるの?
オット、父さんそこまで見てなかった。
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意外性の勝利
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投稿日:2009/02/02 |
この絵本は、小学校のクラスで読み聞かせをするきっかけになった、最初の絵本です。
小学5年生のクラス。「ウサギとカメ」と聞いて、馬鹿にしたような顔をしていた子どもたちの表情が変わるのに、それほど時間はかかりませんでした…。
実は、私が読んだ「ウサギとカメ」は韓国民話。海の国の王様の病気には、ウサギの肝が効くという話で、カメがウサギの肝を取りに行くと言うお話。竜宮城やら、ウサギとカメとのだましあいがあって、奇想天外なストーリーと、どこか聞いたことのあるような話が混在しています。
民話の伝承には不思議なところがあって、国が違うと話が変わっていく。これはその大きな例かと思います。
読み終えて、子ども達に感想を聞くと、大半は「浦島太郎みたい」との回答。
家で読んだとき、奥さんは「サルの肝」だと言いました。
昔話の伝承について一くさり話すと、子ども達は「ナルホド…」という顔をしていました。
それにしても、この本はタイトルで損をしていると思います。「ウサギとカメ」と聞いて、興味を示す人は少ないかもしれません。
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母親の大きさ、環境問題、子どもの旅立ち
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投稿日:2009/02/02 |
この話を聞いて、私は泣いてしまった。読み聞かせにと買った本だが、子どもより自分の方がいやされたのかも知れない。
荒廃していく海、仲間からはぐれたクジラ母子がさまよい続ける。母親は海の毒を一人で飲み込み、我が子を守り続ける。敵であったシャチも力尽きていく。
息絶えようとしている母親が、子どもに伝える「いのちのうた」。子どもの旅立ちシーンは、読んでいながらジーンと来てしまう。
こんな時は、母親なんだよな。
この本、CDがついていて、著者自身の語りを聞くことができる。著者の思いを身近に感じて、また泣けてくる。
音響の効果も実感させてくれる。
親は誰でも子どもに伝えたいことがある。子どもの旅立ちが、感動的であって欲しい。
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心にしみること
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投稿日:2009/01/31 |
この絵本を読み終えたとき、息子と奥さんにしばらく静寂があった。
その後、奥さんは「作家の強い思いが絵にこもっている」と言った。
自分は、絵の間を埋める凝縮された言葉に強い思いを感じた。
若い頃当たり前のようにあった、差別とか身分だとかを思い出した。
居場所がなかった少年が、卒業の年の学芸会で演じたカラスの鳴き声で存在感を示した。
学友は自分たちが少年にしてきたことを思い涙を流した。
保護者達は、少年をたいしたもんだと涙を流した。
少年はカラスの鳴き声に、自分の暮らしと、自分が小学校に通学してきた6年を表現したのである。
素晴らしい事だと思う。
この少年の素質を見抜いて、表現させた教師も素晴らしい。
小学校教育はこうでなくては。
ひとつひとつに作者の強い思いが感じられて、ひとつひとつが心にしみこんできた。
今、6年生のクラスで、この本を読み聞かせて皆を感動させる自信はない。
クラスの数名でも、この絵本を正面から受け止めてくれたらそれだけで良いと思う。
心にしみる本だと思いました。
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