ある天気のいい日。
こぐまのまあすけが、はらっぱであそんでいると、風にのって風船がふわふわふわ…と飛んできました。
「こっちへ とんでこい とんでこい。もうすこしで とれるぞ。」
風船を追いかける、まあすけですが…。
切り株につまずいて、すってーん。
風船をつかまえることができません。
まあすけは、風船がほしくてしょうがありません。
木にのぼって、また風船が飛んでくるのを待っていると、とおりかかったぶたのおじさんから、大根の見張り番をたのまれます。
ぶたのおじさん、畑にわすれものをしてきたんですって。
引き受けたまあすけですが、むこうから風船をもった子たちがやってきて…
「もう1こ、木にひっかかってるよ」といいます。
まあすけ、どうする?
大人気「11ぴきのねこ」シリーズの作者、馬場のぼるさんの、何ともほのぼのするお話。
大根の見張り番をするとおじさんと約束したからには、ちゃんと約束をまもろうとするまあすけ。
いつ飛んでくるかわからない風船を、木の上でのんびり待つ、まあすけ。
素直でマイペースなまあすけの姿は、子ども心にぴったりとはまります。
1980年に刊行されたこんなにかわいい絵本があったのですね。
幼い子どもがもつ、なにげない優しさやユーモアが、ほのぼのと伝わってくる絵本。
馬場のぼるさんが描く絵ののびやかなタッチに心癒されます。
読み終えて、にっこり。親子で読むひとときにおすすめですよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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