てをつなぐのだいすき
- 作:
- きむら ゆういち
- 出版社:
- 偕成社
絵本紹介
2022.04.18
4月は、新入園・入学した子だけでなく、進級でクラス替えがあった子どもたちも、新しい環境でちょっぴり緊張している様子でしょうか。
新しい出会いが増える4月、気になるのは「おともだち」のこと。実はおともだちと“いっしょに”遊びはじめるのは2歳くらいからですが、まだまだ上手にやりとりができない段階。3歳くらいになると「楽しい♪」気持ちをおともだちとシェアできるようになって「ごっこ遊び」を楽しめるようになり、4歳になると「順番待ち」や「貸し借りのルール」など、社会性が芽生えてくるそうです。
遊びを通じて「楽しい気持ち」を分かち合い、あっという間に仲良くなってしまう子どもたち。その姿はとっても微笑ましくて、ずっとこんな風な友情が続いたらなと願わずにはいられません。
子どもといっしょに、おともだちづくりや友情のすばらしさを感じることができる絵本を読みながら、たまには大人も「童心」に帰ってみてくださいね。
この書籍を作った人
1948年東京生まれ。多摩美大卒。造形教育の指導、白鴎短大講師、テレビ幼児番組のブレーンなどを経て、現在、絵本、童話の創作、戯曲、コミックの原作など広く活躍している。『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞受賞。作品に、『あかちゃんのあそびえほんシリーズ』(偕成社)、『カケルがかける』(絵・ひらのてつお/えほんの杜)、『どうするどうするあなのなか』(絵・高畠純/福音館書店)など多数。
みどころ
犬のくろちゃんの友だち、かえるくんがやって来て尋ねます。
「くろちゃん なにいろ すき?」
「みどり!」
くろちゃんが答えると、かえるくんは嬉しくてぴょんとはねます。くろちゃんも嬉しそう。すると、とりさんや、とかげくん、いたちさんもやって来て、何色が好きなのか次々に聞いてきます。そのたびに、みんなが喜び、くろちゃんも一緒に飛び跳ねます。だって、くろちゃんのともだちの色、みんな素敵ですものね。くろちゃんと同じ色をした、やっぱりくろちゃんっていうともだちを見れば、好きな色は「くろ!」。だけどね、何色が一番すき?って聞かれたら困っちゃう。だって……。
気持ちをそのまま、体全体で表すくろちゃんのなんと愛らしいこと! ふわふわのしっぽ、真っ黒なお鼻、飛び跳ねる手足、そしてくるくる変わる表情。きくちちきさんが描く動物たちは、いつも躍動感にあふれ、本当に魅力的。
好きな色がたくさんあるっていいね。ともだちみんなで嬉しくなるって楽しいね。どんな時に読んだって、きっと心を明るくしてくれる1冊です。
レビューより
くろい犬のくろちゃん。いろんな友だちがやってきて、「なにいろがすき?」と聞いてきます。くろちゃんがそのどうぶつの色を答えると、みんなうれしくなるのです。
くろちゃんのやさしい気持ちに触れ、心がほっと温かくなりました。
にじんだ色を使ったきくちちきさんのイラストは、シンプルで自由で、味がありました。
(クッチーナママさん)
この書籍を作った人
1975年北海道生まれ。絵本作家。繊細さと大胆さを併せ持つ作風が編集者の注目を集めるようになり、2012年『しろねこくろねこ』(学研)『やまねこのおはなし』(作・どいかや/イーストプレス)でデビュー。『ぼくだよぼくだよ』(理論社)など。2013年ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)にて『しろねこくろねこ』が金のりんご賞を受賞する。
みどころ
絵本を開くと、画面いっぱいに色んな表情をしたユーモラスなかいじゅうたちがふたりずつ登場します。
思いっきり笑っていたり、怒っていたり、泣いていたり、取っ組み合いのケンカをしていたり。
なにをしているのかな?・・・そう、彼らは遊んでいるのです。
笑わせていたり、怒らせちゃったり。時には恥ずかしくてお互いモジモジしていたり、知らんぷりしたり。
なんか、こういう子どもたち、よく見るよね。
ふたりでいると、いつも微笑みあってるだけじゃない。
これが「ともだち」なのかな。
じゃあ、ともだちとケンカしちゃった時はどうすればいいのかな。
どうすれば、自分の気持ちを相手に伝えられるのかな。
オランダの絵本作家ミース・ファン・ハウトによる、子どもたちが気持ちを素直に伝えるための“こころ絵本”。
内容はとってもシンプル。気持ちの変化が一言でつづられていくだけ。
だけど、まっくろな背景に色鮮やかで生き生きと踊る様な線で表現されたかいじゅうたちを見ていると、その時々の状況がどんどん頭に浮かんできます。
「このふたりは出会ったばかりかな」「この子がいたずらばかりしているんだろうな」「キライなわけじゃないけど・・・」
そんな風に読み解いていきながら、子どもたちの「ともだちづくり」を応援してくれているのがこの絵本なのかもしれません。ともだちができた時の、子どものドキドキした気持ちにも寄りそってくれます。
それにしても、かいじゅうたちのチャーミングなこと!!大人の私だって、なんだか真似して描いてみたくなっちゃいます。
レビューより
どのページも黒いバッグにクレヨン!?で描かれた絵と言葉が印象的&個性的だと思いました。
シンプルな言葉とダイナミックなイラストで、幼児にもストレートに「ともだちってすてきだね♪」ということが伝わる絵本です。
モンスター?動物?なんとも言えないユニークなキャラクターが友達になっていく様が、なんとも愛らしく素直に子ども達の心に届くことでしょう。
(ちょてぃさん)
この書籍を作った人
1962年オランダ南部のハペルトに生まれる。幼いころから父親がたくさんお話を聞かせてくれるという環境で育ち、自身も読書が大好きなだけではなく、絵を描くことに夢中になった。高校卒業後、デッサン、テキスタイル・アート、グラフィックデザインなどを学び、その後フリーのイラストレーター、デザイナーとして活躍する。本書および姉妹本の『ともだちになろう』(西村書店)は、子どもたちの感情に寄り添った新しい試みによる表現で、各国で高い評価を得ている。現在はオランダ北部にある小さな町ティナールロで夫と3人の子どもたちと暮らす。
この書籍を作った人
1978年神奈川県生まれ。東京学芸大学大学院修了。第37回日本児童文学者協会新人賞受賞。作品には絵本『おむすびにんじゃのおむすび ぽん』『おむすびにんじゃのおいしいごはん』(リーブル)、訳書に『ともだちになろう』『どんなきもち?』(西村書店)など。絵本や児童書を読み、味わうところから、さらに、それぞれが絵や詩や物語などの創作表現を楽しむことにつなげる「読み遊び」のワークショップ活動も大切にしている。
みどころ
世界で愛される絵本『どんなにきみがすきだかあててごらん』の、なんと25年ぶりの続編。
ちいさなちゃいろいノウサギ、つまりチビウサギが、おおきなちゃいろいノウサギのデカウサギから離れてひとりで遊びに出かけます。
水たまりや自分の影を“うそのぼく”だと思いながらぴょんぴょん駆けていったチビウサギは、ヒースの中に“ほんもの”を見つけます!
それはまっしろなウサギ。
白いウサギは「あたし、チップスよ」と名乗ります。
さあ、ふたりはともだちになれるのでしょうか。
出会って、一緒に遊んで、別れて……。
「あの子と、ともだちになれたのかな?」と不安になっちゃうこと、ありますよね。
チビウサギは「また、あえるかなあ」と思いながらデカウサギのもとへ帰ります。
そこで目にしたのは……。
ひとりで遊びに行ったら新しいともだちに出会い、帰れば迎えてくれるデカウギがいる。
幼い子のよろこびと幸せをシンプルに描いた絵本です。
アニタ・ジェラームさんが描く、ウサギたちの仕草、繊細で愛情深い世界観は健在です。
文章を書いたサム・マクブラットニィさんは50冊以上の子どもの本を手がけてこられましたが、本書刊行前に逝去され、本作が遺作となったそうです。
線画のタッチやおさえた色彩、自然の描写など、イギリスの絵本の伝統的な魅力も感じられるこのシリーズ。
『どんなにきみがすきだかあててごらん』のシリーズは、はる・なつ・あき・ふゆそれぞれのおはなしやしかけ絵本など、他にも色々ありますが、どれから読んでも楽しめるので、一度手に取ってみてくださいね。
この書籍を作った人
アニタ・ジェラームとのコンビで生まれたこの作品は世界各国で翻訳され、ぬいぐるみやしかけ絵本などのグッズとともに子ども達に愛されている。
この書籍を作った人
「ぼくはぼくのほんがすき」「ママ、わすれてるじゃない」「ちっちゃいかわいいちゃん」「ぼうや、おくちをあけて」(以上評論社刊)などの作品がある。
この書籍を作った人
翻訳家。英米の絵本を中心に活躍中。おもな翻訳絵本に『わすれられない おくりもの』、『どんなにきみがすきだかあててごらん』、『パパとママのたからもの』、『だめよ!デイビッド』(以上、評論社)などがある。
みどころ
ひとりぼっちのくろくまくん。あまりに寂しいので友だちを探しに行くことにしました。でもどこを探せばいいのかな?
わからないまま進んでいると1匹のちゃくまくんに出会います。どうやらちゃくまくんも友達を探している様子。「そうだ、いっしょにさがそうよ」意気投合したふたりは力を合わせ、友達探しの大冒険に出かけます。
「ともだち、いないなぁ」「まだ見つけたことないもんね」二人は友達を見つけたときのための練習することに。もう友達見つかったんじゃない?と声をかけたくなりますが、交互にかくれんぼしあう二人は真剣そのもの。そのちぐはぐな行動がとてもユーモラスです。
作者はプラハ生まれの作家ペトル・ホラチェック。『あおいろペンギン』(化学同人)や『ちょうちょちょうちょ』(主婦の友社)などの絵本を手がけるほか、グラフィックデザイナーやイラストレーターとしても活躍する作家さんです。コラージュを多用した色鮮やかなイラストには深みがあり、温かなストーリーにぴったりとマッチしています。
「いないとおもったともだちが、ちかくにいた!っていいでしょ」のんびりなふたりらしい、なんとも微笑ましいやりとり。フワッと温かい空気に包まれます。大切な人との出会いと、共に過ごす幸せな時間をぜひ親子で堪能してくださいね。
この書籍を作った人
訳書に、アントワネット・ポーティス作『まって』(日本絵本賞翻訳絵本賞:あすなろ書房)など。
出版社からの内容紹介
まっしろな画用紙を見つけたえんぴつたちは、みんなでおえかきをすることにしました。そこへはさみのチョッキンふじんと、マジックだんしゃくがやってきて、自分たちも仲間に入れるように言います。えんぴつたちにことわられ、きりえをはじめただんしゃくたちですが、できあがった作品をめぐってけんかになり…。そのようすをじっと見ていたのりののりこさん。とってもすてきなアイデアを思いつきました!カラフルで楽しい絵本です。
レビューより
いろとりどりの色を使って、画用紙にきれいな絵を描く色鉛筆。
そして、折り紙を上手に切り、きれいな切り紙を作るはさみ。
その切り紙に模様を書くマジック。
みんなと一緒にお絵描きしたいなぁと思いながら、言い出せずにいるのりののりこさん。
のりこさんは、切ることも、描くこともできない。
でもね、のりこさんには、のりこさんにしか出来ないことがあったのです。
絵と切り紙とどっちがきれいかで争うみんなに、どっちかを選ぶのではなく、
「どっちも好きよ。」
と言えたのは、のりこさんだけだったでしょう。
そして、あい交えることがないと思われた2つのものをくっつけてしまう。
これも、のりこさんにしか出来ないこと。
のりこさん登場の後、書いたり、貼ったり、ぜんぶ一緒にして出来た絵の、明るくて、大胆で、楽しそうなこと。
息子も、思わず、うわぁ〜と感嘆の声です。
みんな、それぞれのよさがあるんです。
(たかくんママさん)
この書籍を作った人
福井県生まれ。北海道教育大学卒業。札幌でディスプレイデザインなどの仕事をして、28歳であとさき塾をきっかけに上京。大好きな池波正太郎の通った老舗蕎麦屋「神田まつや」でアルバイトをしながら、絵本を学ぶ。主な絵本に『ぎょうざのひ』『えんぴつのおすもう』『ぜったいわけてあげないからね』(偕成社)、『のりののりこさん』『けしゴムのゴムタとゴムゾー』(BL出版)、『まんまるいけのおつきみ』『おならおばけ』(講談社)、『しゃもじいさん』『ぬかどこすけ!』(あかね書店)、『まあちゃんとりすのふゆじたく』(アリス館)、『かたつむりくん』(風濤社)、『おにぎりのひみつ』(フレーベル館)、『おもちのかみさま』(佼成出版)、『おとうさんのこわいはなし』(岩崎書店)など。挿絵の仕事に『どろろんせんせい』シリーズ(作:苅田澄子)(鈴木書店)などがある。陶芸、畑仕事が趣味。札幌市在住。
みどころ
こぎつねのルースは小さなものが大好き。持っているおもちゃは、なんと全部ミニサイズ! そして、浜辺や野原で、小さくてすてきな貝がらやお花を見つけるのも、とても上手なのです。
ある日、ルースは学校の校庭で、小さなカメラを見つけます。小さい窓にボタンもついて、まるで本物みたい! 大喜びのルースですが、それはお友だちの落としたものだとわかります。
でも、どうしてもそのカメラが欲しくなってしまったルースは、先生とお友だちの前で、「お誕生日にもらったんだもん」とうそをついてしまうのですが……。
みんなの前でうそをついてしまい、ひっこみがつかなくなったルース。いったいどうなっちゃうの? ルースは、ほんとうのことを言えるのかな……と、しょんぼり元気のないルースを見守りながら、ハラハラしてしまいます。
自分がまちがったことをしてしまった、ということを認めるのは、とても勇気がいることですよね。これは、子どもでも大人になっても同じです。
こういうとき、自分ならどうするかな。自分だけではなく、子どもから「うそをついちゃった」と打ち明けられたら、どういうふうに言えばいいのかな。「うそをついてごめんなさい」と友だちから言われたら、どう答えればいいのかな。思わず自分にひきよせて想いをめぐらせ、いろんな視点から考えさせられる物語です。
そして、真実を告げて謝る勇気も大切だけれど、相手を「許すこと」も、とても勇敢なことなのだな。本をとじたあとそんな気持ちがじわじわとこみあげてきました。
レビューより
このお話は、もしかしたら大人の心にひびくかも、、、。
誰でも、ウソをついたり、ウソをつかれたり、ウソをゆるしたこと、あると思います。おもわずウソをついてしまった、こぎつねのルースの気持ちがよくわかります。子どもらしいウソですね。
ウソはいけないけれど、言ってしまったときどうするか。謝られたら、許してやれるのか、いろいろな立場から、考えてみたいです。難しいお話ですが、かわいい絵にほっこりしました。
(どくだみ茶さん)
この書籍を作った人
東京生まれ。同志社大学卒業。主な翻訳絵本に『しりたがりやの ふくろうぼうや』『ケーキがやけたら、ね』『ババールの美術館』『おねがい パンダさん』『女王さまのぼうし』『あたし、うそついちゃった』『たった ひとつの ドングリが―すべての いのちを つなぐ』『まほうの さんぽみち』『この まちの どこかに』「あおい ちきゅうの いちにち」シリーズ(すべて評論社)などがある。
みどころ
ぽおん ぽん ぽん ころころ ぽん
原っぱでボール遊び。雲を見ながら、
「あのうえに のると いいなあ」
ぴょんぴょん ふわわ ぴょん ふわわ
今度は毛糸玉で遊んでいると、ほどけた毛糸が雲みたい。
「うわあ おそらにいるみたい」
ボールや毛糸玉で想像力豊かに遊ぶこりすのみいの様子が、軽快なオノマトペと、表情豊かな絵で描かきだされ、見ているだけで楽しい気分になります。
みいはこの遊びの中で、無意識に「おともだち」を考えることになります。
みいが池に落としたボールを拾ったのは、いたずらっ子のかえるくん。
「ぼーる かえして」「いやだよん」という状況で、「かしてあげれば?」というママの助言にも、みいは納得がいきません。気を取り直して、毛糸玉で遊びはじめますが、おやおや、また、かえるくんがやってきて、「ぼくも ちょこっと あそびたい」。さあ、どうなるのでしょうか?
みいとかえるくんの心の動きが、子どもたちにもよくあるシチュエーション。それが、遊びの中でほぐれていく様子がとてもさわやかです。見守ってくれるママの存在感も素敵な「はじめてのおともだち」エピソード、親子でほっこりできると思います。
出版社からの内容紹介
今日は、ようかいむらのみんなで九尾のキツネのバスに乗って地獄めぐりの遠足へ。1つ目小僧のじろきちと猫又のたまにゃは、大はしゃぎ。反省の鏡・血の池地獄・ゆで釜・迷路の針山とめぐり、最後はエンマ様の前で二人は…。
レビューより
出だしから妖怪たちがたくさん出てきて、おもしろいですね。妖怪しりとりもおもしろいです。「バスにのって、えんそくいきたーい」と、大はしゃぎ。とっても、もりあがります。
妖怪のいろんな世界を楽しむことができて、絵もユニークですてきです。
おばけとか、ようかいとか、そういう不思議でちょっぴり怖いワードにちょうど興味津々な時期なので、じごくえんそく、最高でした。
(サニーふうさん)
この書籍を作った人
大阪府堺市生まれ。魚座。大阪芸術大学デザイン学科卒業。(株)京田クリエーション入社。2001年、2003年、2006年、2011年ボローニャ国際絵本原画展入選。明治「マーブル チョコレート」キャラクターの「マーブルわんちゃん」、兵庫県西宮市観光キャラクター「みやたん」など、多くのキャラクターデザインを手がけるとともに、イラストレーターとしても活躍している。その他の主な作品に、『怪談レストラン』シリーズ(童心社)の装丁・挿し絵、『おはなし・くろくま』シリーズ『わくわく・くろくま』シリーズ(ともにくもん出版)、エッセイ集『キャラクターデザインの仕事』(大日本図書)『うごくくるまえほん 』(ミキハウス)など。見た人を元気にする作品づくりがモットー。
この書籍を作った人
アメリカ、イリノイ州生まれ。大学卒業後、保育園に勤めているときに絵本の楽しさを知り、作品を書くようになる。初めての絵本『木はいいなあ』によりコルデコット賞を受賞。そのほかの作品に、センダックと組んだ『きみなんかだいきらいさ』や、幼年童話『あのね、わたしのたからものはね』などがある。
この書籍を作った人
1928年アメリカ ニューヨーク生まれ。アート・スチューデンツ・リーグに学ぶ。『かいじゅうたちのいるところ』(冨山房)でコールデコット賞を受賞、その他『まよなかのだいどころ』『まどのそとのそのまたむこう』(冨山房)、『ロージーちゃんのひみつ』(偕成社)、『そんなときなんていう?』(岩波書店刊)、『くつがあったらなにをする?』(福音館書店刊)、『ミリー』(ほるぷ出版)他多数の作品がある。国際アンデルセン賞、ローラ・インガルス・ワイルダー賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞などを受賞。
この書籍を作った人
東京都生まれ。作家・翻訳家。早稲田大学卒業後、出版社に勤務。その後、児童文学の創作と翻訳をはじめる。創作絵本に『3じのおちゃにきてください』『まいごのまめのつる』(ともに、福音館書店)、訳書に『3びきのかわいいオオカミ』『きみなんかだいきらいさ』(ともに、冨山房)、『はがぬけたらどうするの?せかいのこどもたちのはなし』『クレンショーがあらわれて』(ともに、フレーベル館)、『ふくろのなかにはなにがある?』(ほるぷ出版)などがある。
みどころ
てのりにんじゃは、小さい忍者。
その大きさは、手乗り文鳥と同じくらいなんだそうです!?
小さくてユニークな、てのりにんじゃのことがよーくわかる絵本です。
さあ、てのりにんじゃについて教えてもらいましょう。
てのりにんじゃは、足音たてず、忍び足で、とても速く走ります。
だからわたしたちはめったに気がつかないんだそうです。
でもいつやってきてもいいように、てのりにんじゃについて詳しくならなくちゃ。
「にんじゃだんご」の作り方や、それを食べさせる方法。
しばらく住み着いてもらうにはどうしたらよいか?
修行したいにんじゃのために、何を用意したらいいか?
これはもう、忍者好きな子どもたちにはたまらない絵本です!
ぼくだったら……
わたしだったら……
てのりにんじゃとこんなふうに遊ぶのに。
わたしの部屋のここをつかってもらうのに。
絵本を読みながら想像はどんどんふくらみます。
ショートストーリーやオリジナリティのある作品で才能を発揮する山田マチさんのおはなし絵本。
たたみかけるように爽快な言い回しが、絵本のリズムをぐっとひきたてます。
『おにぎりにんじゃ』の北村裕花さんが、てのりにんじゃと仲よくなろうとする男の子を親近感たっぷりに描きます。
とにかく、てのりにんじゃがかっこいい!
この本を読んだら、あなたもきっと、てのりにんじゃの虜になります。
いつか会えるその日を信じて、てのりにんじゃを研究してみてくださいね。
この書籍を作った人
愛知県生まれ。2007年、ホームページの「山田の書きもの」を開設し、ショートストーリーを発表。オリジナルの百字の原稿用紙ぴったりにお話を書く『山田百字文学』などを制作。著者に『山田商店街』(幻冬舎)、「山田県立山田小学校」シリーズ(あかね書房)などがある。
この書籍を作った人
1983年栃木県生まれ。東京在住。多摩美術大学卒業。2011年、『おにぎりにんじゃ』(講談社)で第33回講談社絵本新人賞佳作。絵本に『かけっこ かけっこ』(文/中川ひろたか 出版社/講談社)、『くれよんがおれたとき』(文/かさいまり 出版社/くもん出版)、『かあちゃんえほんよんで』(文/かさいまり 出版社/絵本塾出版)、『ねねねのねこ』(文/おおなり修司 出版社/絵本館)など。そのほかの本に、NHKEテレの番組を書籍化した『ヨーコさんの”言葉”』がある。
この書籍を作った人
福島県に生まれる。早稲田大学卒業。翻訳家、エッセイスト。絵本の翻訳に『プレストとゼストリンボランドをいく』(岩波書店)、『ベンソン先生にあたしはきっと★はもらえない』『おっこちてきた』(光村教育図書)など多数。
みどころ
ヤモリのやもじろうと、ハリネズミのはりきちは、あかちゃんのときから大の仲良し。
遊んで、けんかして、仲直りして、おやつを食べて…。
でもいつからか、やもじろうは、はりきちと一緒だとつまらないと思いはじめます。
だって、はりきちは、かけっこも遅いし、木登りもできない…。
「おれ、もう おまえとは あそばないから」とはりきちに宣言したやもじろうですが、はりきちは後をついてきて、困った顔で笑うだけ。
そんなはりきちに、いらだちを隠せない、やもじろうは…?
『ともだちや』『めっきらもっきらどおんどん』など数々の人気絵本の絵を描く降矢ななさん、待望のオリジナル絵本。
ユーモラスで切ないやりとり、かわいいやもじろうとはりきちに、心がぐーっと吸い寄せられます。
好きな友だちでも、得意なことがちがうとだんだん離れていってしまうのは、よくあること。きっと子どもたちにも経験があるはずです。
でも、得意なことがちがうからこそ、助け合ったり笑い合ったりもできる!
お互いを大切に思う気持ちは、変わらないんですよね。
本書は「得意なことがちがうともだち」にやさしいエールを送ります。
やもじろうの、ヤモリらしくもかわいい水玉が素敵!
はりきちのころんとした体の形や、おだやかな顔になごみます。
降矢ななさんの美しい色彩ととぼけた表情の動物たちがいきいきと描き出された絵本。
後半に登場する黒猫の、獲物をとらえたリアルな表情もお楽しみに!
レビューより
小3の息子が、やもじろうと重なりました。
幼少期から仲良しで、しょっちゅう遊んでいた一つ年下の子と、
最近疎遠になったのです。
ちょっと太ってて、足が遅い。まさにはりきち。
違う子と遊び始めた息子に、
無理やりその子と遊ぶように言うのもためらわれる。
やもじろうとはりきちのように、
自然に相手のいいところ見つけられたらどんなにいいだろうと思う。
かわいらしい絵本だから、
幼少期の子も楽しめるけど、
小学生以上だと、身に覚えのある子は結構いそう。
自分のこととして考えたり、共感したりしながら読めるお話だと思います。
(Tamiさん)
3年生の読み聞かせに使いました。
赤ちゃんの頃から大の仲良しだったやもじろうとはりきち。
だけど、やもじろうは、かけっこも遅く、木登りもできないはりきちと遊ぶのがつまらなくなってくる。ある日、やもじろうは、「はりきちなんか大っ嫌い」と言ってしまう。
そんな時、大事件が起きて…。
最後、はりきちがやもじろうをおんぶしようとする場面では、3年生の子どもたちは、あっダメダメ、と、はりきちのトゲが刺さっちゃうのを心配して声をあげ、やもじろうがあいたたたたっと言うと爆笑。
集団生活の中では、子どもだって大人だって、人間関係は悩みの種ですよね。
自分とは違う個性を認めあうこと、思いやりと優しさの大切さを教えてくれる素敵な絵本です。おすすめです。
(chelseaさん)
この書籍を作った人
1961年東京生まれ。スロヴァキア共和国のブラチスラヴァ美術大学で石版画を学ぶ。作品に『めっきらもっきらどおんどん』『ちょろりんのすてきなセーター』『きょだいなきょだいな』『おっきょちゃんとかっぱ』『まゆとおに』(以上福音館書店刊)、「おれたち、ともだち!」シリーズ(偕成社刊)、『赤いくつ』(女子パウロ会)、『もめんのろばさん』(ポプラ社)他多数。
みどころ
ぼくはスポーツが大好き。ボールを使うと大活躍できる。でも……みんなの前で発表するのが苦手なんだ。そんな時は話すのが大好きなりんちゃんが一緒に発表してくれる。
そのりんちゃんは、動物が苦手。飼育係の時には、動物大好きけんちゃんが手伝ってくれる。歌が大好きなソフィアちゃんは、工作が苦手。工作が得意なこうくんは、じっとしているのが苦手。
誰だって好きなことがあれば、苦手なこともあるよね。
それは大人だって同じ。料理が好きなお父さんに、運転が好きなお母さん。小さい子どもが苦手な郵便屋さんに、早起きが苦手な保育士さん。さらに「すき」「にがて」は国境だって越えていく。英語の得意なマリーちゃんはパソコンが苦手。ミンジュンはパソコンが得意だけれど……。
苦手な事は克服するべきだと、前向きな気持ちで頑張ることは、もちろん大切だけれど。「にがて」が個性になり、どこかの誰かとつながっていき、「すき」が隣にいる人を助けることがある。そんな素敵な考え方もあるんだということを、この絵本は丁寧に優しく伝えてくれています。
多様な人々が共生していける社会になるには「自分を認め、他者と支えあう」ということが不可欠です。こんなにも身近なところからスタートできるのだという発見は、大人になった私たちも含めて、見失ってはいけないことかもしれませんよね。
この書籍を作った人
1974年、東京生まれ。二人の娘の父。絵本作家・デザイナー。絵本に『れいぞうこ』(偕成社)、『いろいろ ばあ』(えほんの社)、『みず ちゃぽん』(童心社)、『どじにんじゃ』(講談社)、『おおごえずかん』(コクヨS&T)、『ころころぽーん』(ほるぷ出版)など多数。挿画に「パーシー・ジャクソン」シリーズ(ほるぷ出版)、「モーキー・ジョー」シリーズ(フレーベル館)など。くもん出版からは、「えほんとあそぼ」シリーズのほかに『ぴーかーぶー!』『カチン コチン!』(絵・小林ゆき子)の2冊がある。