
【連載】5月の注目の新刊&オススメ絵本紹介 〜人気シリーズ最新刊〜

5月に発売された絵本の中から、人気シリーズ最新刊をまとめました。
長く多くの子どもたちに愛されているシリーズは、それだけ夢中になるポイントもたくさんあるはず。シリーズ最新刊を入り口に、過去の作品も読んでみてくださいね。
★新刊★シリーズ第5弾の舞台は、森の中!
2008年から10年以上に渡り、子どもたちに愛されている
「100かいだてのいえ」シリーズ。「地下」「海」「空」ときて、次の「100かいだてのいえ」は……?と誰もが気になるところでしょう。最新刊の舞台は「森」! クマ、シカ、サルなど10階ごとに色々な森の生き物たちが暮らしていて、私たちを迎えてくれます。一番上に住んでいるのはどんな生き物なのか……。想像を膨らませながらページをめくってくださいね。
「もりの100かいだてのいえ」
作:いわい としお
出版社:偕成社
森のちかくにすんでいるオトちゃんが、お気に入りのハープを練習していると、どこからか、ふしぎなおとがきこえてきました。庭に出たオトちゃんは、見たことのない花を見つけました。
「おとは この はなから でてるんだ。あれ? あっちにもさいてる!」花をたどって森の奥へと進んでいくと、どんどん音が大きくなって、1本の大きな木にたどりつきました。
大人気「100かいだてのいえ」シリーズ第5弾。今回の舞台は森のなか!
大きな木のなかにある、もりの100かいだてのいえにくらすのは、いったいどんな生きものたちでしょう。
★新刊★あなたなら、どんな学校に行ってみたいですか?
「しごとば」シリーズや「おでこはめえほん」シリーズ、
『
へんがおたいそう』などでいつも読者に驚きを与えてくれる鈴木のりたけさん。そんな鈴木のりたけさんの
「ぼくの」シリーズは、「トイレ」や「おふろ」、「ふとん」など子どもたちの身近にある何気ない物に、これでもかと変化を与えてくれる、楽しい作品です。
最新作の『ぼくのがっこう』でも、鈴木のりたけさんのアイデアがさく裂! ぜひご期待ください。
「ぼくのがっこう」
作:鈴木 のりたけ
出版社:PHP研究所
あさおきて、かばんにどうぐをつめこんで、きょうもがっこういってきまーす! でも、ちょっとまって。まいにちまいにちおんなじがっこう。たまにはちがうがっこうにいってみたい。
たとえば、いりぐちがたきになってる「たきがっこう」。どんなにてんきがよくっても、みんなかさをわすれずに。
くつをいれるげたばこに、とりがすんでる「とりがっこう」。うーんきょうはいっぱいだなあ。
ろうかがぜんぶぐにゃぐにゃしてたらおもしろい。きょうはどこをとおろうか? まいごにならないようにきをつけて。
あれあれ? こうちょうせんせいがいない! いつもとちがうがっこうだから、まいごになっちゃったのかもしれないぞ。
よーし、クラスのみんなあつまって! そらとぶいすにのりこんで、こうちょうせんせいさがしにいくよ。
大人気絵本『ぼくのおふろ』『ぼくのトイレ』『ぼくのふとん』に続く、シリーズ第4弾! 緻密なイラストで絵さがしも楽しめます。
★新刊★ チョウのエデンが伝える「マナーの心」。
「カマキリ先生」として、子どもたちに昆虫の魅力を伝えている、俳優の香川照之さん。香川さんがイラストレーターの ロマン・トマさんとタッグを組んで生み出しているのが、昆虫たちの暮らす「INSECT LAND(インセクトランド)」です。
シリーズ最新作の主人公は心優しいモンシロチョウの「エデン」。いつも素敵な笑顔で、インセクトランドの仲間たちに優しく寄り添う、心の美しいキャラクターです。
エデンを通して、子どもたちは友だちを思いやる「マナーの心」を学ぶことができます。新しい出会いの季節にオススメの一冊です。
「INSECT LAND(インセクトランド)チョウのエデン、えがおのまほうつかい」
作:ロマン・トマ 香川 照之
出版社:講談社
香川照之さんが昆虫愛を注いだ自然教育絵本シリーズ!
子どもたちに昆虫の世界の多様性、自然界の豊かな姿を伝えたいと企画されたのが、この「INSECT LAND」シリーズです。
あるときモンシロチョウのエデンがインセクトランドの森をひらひらと飛んでいると、
だれかの泣き声が聞こえてきました。
どうしたのかしら? と向かってみると、
オオクワガタのラファエルもマメコバチのテオも泣いていました。
どうやらふたりは、ケンカをしてしまったようです。
泣いているふたりを笑顔にするためにエデンがかけた、とっておきのまほうとは……。
にっこり笑顔に出会えるミラーもついて、
新しいお友だちと出会う季節にぴったりのおはなしです。
おともだちとなかよくなるためのごあいさつページや、
昆虫の解説ページや香川さんからのメッセージ入り。
「INSECT LAND(インセクトランド)」シリーズ
★新刊★かこさとしさんの隠れた名作が続々復刊です。
絵本作家かこさとしさんの「カラスの絵本」と言えば? 誰もが『
からすのパンやさん』を挙げることでしょう。でも、かこさんが描いた、カラスの物語がもう一作品あったのです。『からすのパンやさん』から約10年後に生まれ、長く絶版となっていた幻の作品が、この度、装いも新たに復刊しました。『からすのパンやさん』好きはもちろん、かこさんの作品を楽しみにしている方にオススメです。
「たろうがらす じろうがらす」
作:かこ さとし
出版社:復刊ドットコム
かこさとしの「からす」は『からすのパンやさん』だけではなかった!!
からすの兄弟の成長物語… 子どもの好奇心を描いた名作絵本が復刊!!
かこさとしの“からす絵本”は、何といっても『からすのパンやさん』ですが、実は、他にもからすたちが主人公の絵本があったのです。
からすの兄弟、たろうがらすとじろうがらす。
ある雨の日、お母さんがらすに、静かに留守番をするよう言われますが、雨が雪になったから、おとなしくなんてしちゃいられない!
寒〜い雪の中で何して遊ぼう!? お母さんの言いつけも、あふれる好奇心には勝てません。
さてさて、その結果はいかに…。
かこさとし先生による、保護者たちに向けての「あとがき」も秀逸。子どもの成長に本当に必要なことは何かを気づかされる一冊です。
※本書は、1984年・偕成社刊『たろうがらす じろうがらす』を再編集し、新装復刊するものです。
※カバー画像はイメージです。
●愛されて20年! 「たまごにいちゃん」シリーズ。
本当は、たまごから出ているはずなのに、ずーっとたまごの中にいたいと思っている
「たまごにいちゃん」シリーズ。2001年にシリーズ1作目が出版されてから、今年で20周年! 21作目となる最新作では、たまごにいちゃんが迷子になってしまいます!
21作品どれから読みはじめても面白く、「いつまでもママ(やパパ)と一緒にいたい」と思う子どもの心をしっかりとつかむ魅力が詰まったシリーズです。
「まいごのたまごにいちゃん」
作・絵:あきやま ただし
出版社:鈴木出版
散歩中に出会ったブタさんの鼻の穴の中で休憩していたたまごにいちゃん。目が覚めたら、見たこともない場所です。家に帰ろうと思ってもどこへ向かえばいいかわかりません。…ぼく、まいごになっちゃったの? たまごにいちゃん大ピンチ! ところが偶然出会ったのは近くに住んでたはずの仲間たち。どうしてここに? と思いながらも、あれよあれよと帰路は想像を絶するニワトリ飛行に! これには、たまごにいちゃんのたまごの殻もふっ飛びそうです。ちょっぴりスケールの大きなたまごにいちゃんのお話を親子でお楽しみください。いつか羽ばたく日のために…。それにしてもブタさんの移動距離にはびっくりですね。
●働く車の生き生きとした姿を描く、人気乗り物絵本シリーズ。
「働く車」好きなお子さんにぜひ手に取っていただきたい、図鑑とも写真絵本とも違う、乗り物の新たな魅力を感じるおはなし絵本シリーズです。
今回の主人公、はしご車の「のびるくん」は誰もが認めるカッコいい働く車の代表格。でも、意外な悩みを抱えています。「働く車にこんな感情があるなんて!」と驚くとともに、それを表情や佇まいから感じることができる、精密であたたかなタッチが魅力の本作。今まで働く車に興味を持たなかったお子さんも、きっと気に入る作品となることでしょう。
「はしごしゃの のびるくん」
作:正高もとこ
絵:鎌田 歩
出版社:岩崎書店
「大きくてかっこいい!」とみんなが憧れるのびるくん。
でもなかなか出番がやってこず、留守番ばかり。
元気がなくなっていったのびるくんでしたが、ついに出動のときが!
『きゅうきゅうしゃの ぴーとくん』の続編。
大忙しのぴーとくんやほかの消防車にくらべて、この海辺の町では、大きなはしご車の出動はありません。
みんなにほめられて最初は鼻高々だったのびるくんも、活躍の場がないことにだんだん落ちこんでしまい、ついにはうまく動けなくなってしまうのでした…。
活躍できる場所はそれぞれであることや、みんなが助け合う大切さを伝える乗り物絵本です。
今回は司令車、ポンプ車、はしご車、救急車が登場します。
「きゅうきゅうしゃの ぴーとくん」
作:正高もとこ
絵:鎌田 歩
出版社:岩崎書店
ぴーとくんは、病気やケガをした人を病院へはこぶことが仕事です。
でも、毎日いそがしくて、へとへとにつかれてしまいました。
「目が回る。もうイヤだ!」
「だれかのやくに立つって、そんなにすてきなことなの?」
思わず逃げ出してしまったぴーとくんですが…。
のりもの絵本で人気の鎌田歩さんがイラストを担当。
子どもに大人気の救急車が主役の、楽しいのりもの絵本です。
●祝・80年! 世界中で愛されている「おさるのジョージ」。
黄色い表紙が目印の、知りたがりやのかわいいこざるが活躍する絵本と言えば……? そう
「おさるのジョージ」シリーズですよね。1941年にアメリカで生まれた「ジョージ」は、今年80周年を迎えます。おじいちゃんおばあちゃんから、赤ちゃんまで三、四世代に渡り愛されているこのシリーズ。まだ出会っていない方は、この機会にぜひ手に取ってみてくださいね。
★新刊★カラフルでスタイリッシュなバイロン・バートンの世界。
1970年代のアメリカで活躍した、バイロン・バートン。おはなし会での定番絵本『
とべ、カエル、とべ!』や、小さいお子さんがはじめて手に取る乗り物絵本
「バートンの のりものえほん」シリーズなど、日本の子どもたちに長く愛されている絵本作家です。
カラフルで子どもたちを惹きつける愛らしい絵でありながら、乗り物のフォルムや恐竜の骨格など、しっかりとした線で描かれているのが特長の絵本たち。赤ちゃん絵本からのステップアップに、乗り物絵本、恐竜絵本の入り口に、オススメです。
「きょうりゅう きょうりゅう」
作・絵:バイロン・バートン
訳:なかがわ ちひろ
出版社:徳間書店
おおむかし、地球にはきょうりゅうがたくさん住んでいた。角があるのや、首がながいの、しっぽがながいの、いろんな種類のきょうりゅうがいた…。ページをめくると次々にきょうりゅうたちがあらわれ、楽しさが広がります。明るい色彩で、のびのびと描かれた、小さな子どもに人気の定番絵本。
●身近な生き物たちの生態に迫る、科学絵本シリーズ。
普段、気に留めることはなくても、私たちの身近に生息している、アリやミミズなどの小さい生物。どのような生態をしていて、どのような一生を送るのか……。科学的な検証を、子どもにも分かりやすい文章と、親しみやすいイラストで紹介する、科学絵本シリーズが
「ちっちゃな生きものたち」です。
周りのものに対する「なぜ? なに?」が増えてきたお子さんの好奇心をしっかりと満たし、目から鱗の情報も豊富に入っています。科学や生物に興味を持つきっかけにピッタリのシリーズです。
●雨が降ったら会いたくなる、「カエルをやめる」と言ったカエルくん。
誰もが自分以外の何者かになりたいと憧れる時期があると思います。この絵本に登場するカエルくんも、「おれ、ネコになることにするや」とある日突然、お父さんに宣言します。「カエルはネコになれないんだよ」と意外と冷静に諭すお父さん。
ドキッとするタイトルと、なんとものんびりとした会話が魅力のカエルくんのおはなしは、その後
『オレ、カエルやめるや』シリーズとして、長く愛されることとなりました。
読んでみると意外と深い、自己肯定感の物語。雨が降る季節に読みたい、カエルくんの絵本です。
絵本ナビでは2017年にレビューコンテストを開催しました。
●子どもたちのお友だち「くろくまくん」の絵本シリーズ
0、1,2歳の小さいお子さんには「Baby Kumon」のキャラクターとしておなじみの「くろくまくん」。元はイラストレーターや絵本作家として活躍する、たかいよしかずさんが生み出した、絵本から生まれたキャラクターです。
トイレやごあいさつ、手洗いなど成長する中で子どもたちが学んでいく生活習慣、時々失敗しながらも、明るく楽しく伝えてくれるくろくまくんは、子どもたちの大切なパートナー。くろくまくんと一緒なら、イヤイヤすることの多い歯みがきも、楽しくできることでしょう。
●5月の新刊&オススメ動画公開中。