水がほとばしる。 すべての「いのち」が輝きだす。
ほとばしる水、うごきだす生きものたち。 生命力あふれる、この「庭」に誰もが思わず、ひきこまれる……。
名作絵本を新装版で! 講談社の創作絵本ベストセレクション
まず表紙に占める「みずまき」というタイトルの文字の大きさに圧倒されます。その大きな文字に向かって、少女が挑むようにホースで水をかけているかのようです。
みんなが昼寝をしているところに、少女がやってきて「にわのみなさん おきおてください。 あめだぞ あめだぞ。」とホースの水を庭じゅうにぶちまけていきます。
なめくじは「たぴ たぴ たぴ たぴ」と、ぼうふらは「きゅる きゅる きゅる きゅる」と、あおむしは「しゃく しゃく しゃく しゃく」と庭にいた虫や鳥や動物たちのうえに水がまかれていきます。少女が声をかけた「みなさん」は人ではなかったんですね。
どのページも、大胆な筆づかいと鮮やかな色彩で描かれていて、水をかけている少女が発するエネルギーがそうさせているかのようです。でも注意して見ると、いろいろな場所に生きものがいることがわかります。また少女もいろいろな表情をしていて、作者が細かいところまで気を配っていることがうかがえます。
水をかけ終わって、浴衣とうちわで涼んでいる少女の姿に、こういう夏を子どもたちに体験させてやりたいと思わずにはいられません。
25cmくらいの大判で、遠目もききます。
これを読んだら、子どもたちはみな、みずまきがしたくなるでしょうね。 (はしのさん 40代・パパ 男の子15歳、女の子13歳)
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