第20回日本絵本賞受賞。
ユーモアたっぷり、杉田比呂美さんの絵さがし絵本!
町をながれるながい川、ロングロンリバーと
イーストパーク動物園のある大きな公園を
はさむようにして広がる偉大な音楽家を生んだ町。
その町に暮らす12人の一日を追っていくのがこの絵本です。
年齢も仕事も暮らし方もさまざまな12人は、
同じ時間にそれぞれ何をしているのでしょうか。
朝の6時。
わんぱく小学生のヘモは、まだベッドの中。
昨晩遅かったのかな。ぐっすり熟睡中なのは
テレビ記者のハーピーさんや宅配便配達のフォリッシモさん。
ちょうど目覚めたばかりの人や朝食の準備をしている人、
すでに働き始めている人もいます。
物語は、朝の6時から次の日の朝6時までの24時間。
ある普通の平和な日常から大きな事件が起こるのです。
見開きのページ下には、刻一刻と変化する町の様子。
その上には映画のように、12コマの枠の中で
それぞれの登場人物の12通りの時間が流れています。
一人ひとりが主人公でもある12の物語は、
絶妙に絡み合って12コマはヨコやタテにつながって
形をかえながら一つの物語を紡いでいきます。
読めば読むほど発見があり、
人のつながりが愛おしく感じられるこの絵本。
何度でも読み返してみましょう。
自分だけが物語の主人公ではないことに気づかされます。
いろいろな視点を発見できる貴重な作品です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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