とらねこ大将と10ぴきののらねこたち。
それがこの絵本の主人公です。
彼らはいつもおなかがペコペコ。
けれど、見つけた魚はいつも11等分。
これじゃあ、お腹いっぱいにはなりません。
そこで11ぴきのねこは、はるか遠い湖までやってきます。
そこには「怪物みたいに大きな魚」がいると言うのです。
11ぴきのねこは、いかだを作り、帆を張り、なわも積んでいざ出発!
さあ、どんな魚が出てくるというのでしょう?
馬場のぼるさんの大人気絵本「11ぴきのねこ」シリーズの記念すべき第1作目がこの作品。彼らに名前はなく、ただの「のらねこ」たち。だけどなんて魅力的な主人公たちなのでしょう。「お腹いっぱい食べたい」その思い一つでどんな困難にもニャゴニャゴ―っと一致団結。体を張り、知恵を絞り、作戦を実行していくのです。
さて、11ぴきのねこの前に立ちはだかるのは想像を絶する大きさの怪魚。
まるで歯が立ちません。
だけど、そんなことじゃ諦めきれないのが彼らの持ち味。
思いもよらない作戦を考えつき……。
あっと驚く最後の展開は、この絵本最大のお楽しみ。
読んだ途端に彼らのことを大好きになってしまうのでした。
(シリーズはまだまだ続くのでご安心を)
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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