2匹のネコのクロとシロ。
たくさんの星が空にきらめくある夜、クロはシロを誘って湖にやってきます。
湖に浮かぶキラキラ光るものをシロにプレゼントするためです。
ところが、湖の表面をつかもうとしても、すくってみても、クロが思っているキラキラを手に入れることができません。バケツを使っても、網を投げ入れてもやっぱりダメ。
思ったものと違うものばかりをつかまえてしまうのです。
とうとう湖に飛び込むクロですが・・・。
すっかりションボリしているクロの横で、シロはやさしくにっこり微笑んでいます。
だって、シロはそのキラキラがどこにあるか、ちゃんと知っていたから。
それはね・・・。
ページを開いてすぐに圧倒されるのは、どこまでも深く、どこまでも透き通った、あお、青、蒼。
なんて美しい世界なのでしょう。森も湖も夜空だって、2匹のいる世界は青く美しく輝いているのです。
でも「大切なものはふたりの心の中にある」。
そんな簡単な事だって、気がつくためにはなかなか大変な経験が必要なのかもしれません。
一番大切な人に贈りたくなるこの絵本。
読んだ後に心があたたかくなるのは、どこの場面にも隠れているたくさんのハートのせい?
ボローニャ国際原画展受賞作品『ぴっぽのたび』で一躍話題となっている刀根里衣さんの注目の絵本。
その青い世界を、直接体験してみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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