繊細で心が折れやすい少年期。
そんな時に、なんでも話せるその子だけの親友がいれば、
確かにどんな事も乗り越えていけるのかもしれない。
例えそれが…白いブリーフパンツでも??
「やあ!さっきは危なかったね!」
そういってボクに話かけてきたのがパンツくん。
それ以来、パンツくんとおしゃべりをするのが日課となったボク。
いつも一緒のパンツくんには話すこと以外に特別な能力はないけれど、なかなか物知りだったり、
何といってもボクにぴったりとフィットして、落ち着かせてくれるんだ。
学校の行き帰りに、ズボンの中を度々のぞきこむ姿はどうかと心配になりつつ、
うーん、何だろうこの違和感のなさ。
少年には白いブリーフがよく似合う。
そういえば、我が息子も暑い夏は家の中ではパンツ一丁姿でうろうろしている。
でも。ある日突然、パンツくんとの別れの日はやってくるのです……。
そうか、ブリーフ時代を終えて少年は青年期へと進んでいく、らしい。
なんて斬新な切り口!
面白いです。そしてパンツくんの最後のセリフにグッときます。
長崎訓子さんが描くパンツくんとボクのやりとりは、ユーモラスで本当に愛らしい。
でも、読んでみれば読み応えのある少年の成長物語だったりします。
それにしてもメガネっ子のこの少年、誰かに似ているような?
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
続きを読む