ヨンイは韓国の小学生の女の子。道ばたで雨の中すわっている物乞いのおじいさんを見かけます。ヨンイは勇気を出して、自分の傘をおじいさんにさしかけてあげました。下校の時には雨は上がって、おじいさんはもういませんでしたが、ヨンイの傘はきちんとたたんで置いてありました。 韓国がまだ豊かでなかった1980年初め、貧しい子どもだけが使った粗末なビニール傘は、小学校の少女ヨンイにとっては大切なものだった。その傘を雨にぬれた物乞いのおじいさんにさしてあげる。ヨンイのやさしさと勇気がリアル感満ちた絵で描かれた、韓国の傑作絵本。
残念ながら、うちの下の子には、あまり気に入られませんでした。
儒教の心がある韓国では、こういった心の持ちようが、普通に「大切」とされているでしょうね。
そして、日本にも割と「儒教」の心は浸透していますので、そういう意味で、大人は大方の人が、こういう話は好きだと思います。
(いいえ、決して自分の子があまり興味を示さなかったのを言い訳しているわけではありませんよ?)
ヨンイって、いい子だなぁ〜。と思うし。
ただ、これを「いいことの教科書」みたいに子どもたちに読まないでほしいと思います。
受け止める子どもたちは十人十色なので、大勢の子どもの前で読むならサラっと。
ヨンイが傘をさしてあげたおじさんが、お礼を言うわけでもなく、また、その傘をもらってもいかなかったように…。
物乞いのおじさんのような気持ちで、読んでみたらいいかな。と、思いました。
ちなみに、イラストの「キム・ジェホン」さんの絵が、とても素晴らしかったです。町並みとか、人の表情とか!すごく素敵でした。
読んであげるなら、小学校低学年からでもいけると思います。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子13歳、女の子9歳)
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