ながいながいねこ?
そうなんです。
体が長い長い猫のお母さんなのです。
子猫とのツーショットの表紙絵が、それはそれは愛らしいですね。
ある風の強い日、子猫は吹き飛ばされてしまうのですが、着いた先は、お母さんのしっぽのところ。
でもやっぱり、お母さんの顔のところへ向かうのですが、なにしろ、体が長い長い猫のお母さんですから、なかなかたどり着かないのです。
その長さ、びっくりするくらいです。
それだけに、子猫と一緒にまだかまだか、とドキドキハラハラ。
とうとう泣き疲れて……。
長い長い体のお母さんだからこその展開、安心のラストはおやすみ絵本としてもいいかもしれませんね。
親子ともにそれぞれ、共感どころがあると思います。
背景にも注目。
お母さんの声に呼応するシーンの背景は、モスグリーン。
お母さんの瞳の色に似ているような気がするのですが……。
さらに、夕暮れに向かって、背景は濃くなっていきます。
子猫とお母さんの気持ちが、色彩からも伝わってきます。
よく がんばりましたね。
子猫を心配しながらも優しく見守るお母さんの姿が素敵です。
キューライスさんは、人気漫画家、アニメーション作家でもあり、長い長い猫という造形も映像的です。
ヒグチユウコさんは、『せかいいちのねこ』など猫の作品も多く、愛らしい猫の絵が何とも魅力的です。
(中村康子 子どもの本コーディネーター)
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