お父さんが大活躍する現代のおとぎばなし。 あっくんのお父さんは夜遅くなってもなかなか帰ってこない日があります。そんな日はどこで何をしているのでしょう…? 大なまずに子守歌を歌ってあげようとするお話や、迷子の雷の子を空まで送り届けるお話など4篇からなる オムニバスおはなし集。その語り口には、子どもへの優しいまなざしと愛情がぎゅっとつまっています。 小学館児童出版文化賞受賞作家、市川宣子の最新作です。
低学年向けのお話のようですが、この本を読んで父親業のテキストだと思ってしまいました。
あっくんのお父さんはいつも帰りが遅いようです。
仕事でしょうか?お付き合いでしょうか?それが別として、お父さんは遅くなったことについて言い訳をします。
それが素晴らしく明るくて子どもを引き込んでしまうようなお話なのです。
それをばかばかしいと思う年頃になったらこの手は通用しないのかもしれませんが、思わずお父さんを許してしまう要素を秘めていると思います。
お父さんは嘘つきではいけないけれど、楽しいホラ吹きは大いにすべし。
ユーモアを鍛えることと、子どもの想像力の中に入って行くサンプルとして、とても楽しいお話です。
4つのお話が書かれています。
穴を掘って地底の湖でナマズを見つけたとか、ボートを漕いでカミナリの子どもを助けたとか、ホームランを打って空に星を戻したとか、春を呼ぶ帽子を追いかけていたとか、たわいもない話を大真面目でするお父さんはきっと人気者です。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子13歳)
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