おじいさんとおばあさんと、ねこのマツが住んでいるこの古いやしき。実は、ばけもの屋敷なのです。
だから真夜中になると・・・ば、びょーん!
出るわ出るわ、ばけものたち。
でも前作を読んでいる皆さんなら、このばけものたちが案外頼りになっていることはご存知ですよね。
今作では、何も知らないおじいさんとおばあさんが、
「こんなきれいな石、見たことないぞ」
と、拾ってきた石を家の床の間に飾ったところから事件は始まります。
だって、それはばけもの石。真夜中になって石から出てきたのはガマがえる。
なんと、ガマはおじいさんとおばあさんの「元気のもと」を吸い取ってしまうのです!
ばけものたちやねこのマツは抵抗を試みますが、結構手強い相手のようです。
さあ、一体どうする!?
小気味よいテンポで展開する物語、ばけもの絵本なのに声に出して読むとなぜか笑っちゃう文章、そしてなんといっても味わい深くチャーミングなばけものたちの絵が魅力的なのがこのシリーズです。
ゲ、ゲロ、グワーン!どどどど、どーん!
ずいーずいーずいー。
どんどん巨大化するガマと、チームワークで応戦するばけものたちとの対決シーンはなかなか壮大なスケール感。一方で縁側で平和にお茶を飲む、おじいさんとおばあさんの平和なひととき。その平和を守るために起こっている夜中の出来事のことを思うと、このシリーズから今後も目が離せなくなってしまいますよね。
あれ、裏表紙の絵に登場しているのは・・・?そう。最後まで読んだら、また最初からしっかり絵を見ながら読み直してみてね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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