『THE GREAT BLUENESS AND OTHER PREDICAMENTS』が原題。
邦訳の方がインパクトがありますね。
昔話風に、色の効用について描かれた作品。
ずっと昔、色のなかった頃、魔法使いが魔法薬を調合中、青色が出来たのです。
早速いろいろ塗ってみたのですが、周りの人々も塗りだしたので、
世界は青一色に。
すると、なぜかブルーな気持ちになってしまったのです。
その後、試行錯誤して、黄色、赤色、としてみますが、上手くいきません。
困り果てた魔法使いが、青、黄、赤の色をいろいろ試しているうちに、
混ざってカラフルな色が出来たという次第。
色の本質が描かれていて見事だと思いました。
特に、色の影響力が実感できると思います。
最初からの展開で読み進めていると、最後のカラーの美しさがしみじみと
体感できますね。
色のありがたさもわかりました。
絵が細かいので、できればじっくりと手元で読んでほしいですね。
描きこまれた人々の群像が見事だと思いました。
色調も淡く、柔らかな色なので安心です。