あきねこが筆をふるうと、不思議な風景が!
かのが公園で出会った“あきねこ”は、不思議なえのぐで、つぎつぎと秋の風景を描いていきます。すると、そこには……。色鮮やかな季節の訪れを祝福する絵本。
・文/かんのゆうこさんからのメッセージ
『ふゆねこ』からスタートした「四季ねこえほん」シリーズも、いよいよ最後の一冊となりました。今回は、ちょっとミステリアスな黒猫の画家、あきねこが登場します。私は幼い頃、心で思っていることと現実との境界線がとてもあいまいな子どもで、自分の感じていることが現実なのか、それとも空想の世界のことなのか、わからなくなることがよくありました。今回お届けする『あきねこ』は、そんな現実と空想との境目がぼやけていくような、幼い頃に感じていた不思議な気持ちを思い出しながら書いた物語です。あきねこがいったいどんな秋を見せてくれるのか、そうして最後にはどんな展開が待っているのか、主人公のかのちゃんと一緒になって楽しんでいただけたらとてもうれしいです。
・絵/たなか鮎子さんからのメッセージ
秋は四季の中でも一番好きな季節です。暑〜い夏をどうにか乗り越えると、ある時ふと涼しい風が吹き、見上げると木の葉もずっと透き通って見えて……。その瞬間はいつも、踊りだしたくなるくらい嬉しくなります。そんな気分をお届けできたら……と思いながら絵を描きました。
そしてこの絵本に登場する「あきねこ」。黒猫でミステリアス……と思いきや、どこかしら笑えるモッサリ感が漂っているのは、ひとえにうちの飼い猫君のせいなのです。ゴロゴロしてばかりの日常から抜け出して、絵本の中では絵筆をあやつる魔法の猫に。きっと本人(猫)も満足しているに違いありません。
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