とっても元気なルルちゃんが、
「はーくしょい!」
さあ、大変だ! 風邪ひいちゃったみたいですよ。
セーターを着て温かくしても、マスクをかけても…
「はーくしょい!」
それなら魔法使いを呼べば、ルルちゃんの風邪を治してくれるかな。
いえいえ、ちがいますよね。どうすればいいのかな?
子どもたちは、ルルちゃんみたいに急に風邪をひくことが多いのです。その場で上着を重ねたって、マスクをしてみたって間に合いません。魔法使いだって役立たずです。そんな時に、子どもたちがお医者さんを嫌っていたら困っちゃいますよね。でも、やっぱり多くの子どもたちは病院に行きたがらないのです。「お医者さんがこわい」から。
でも、作者のせなけいこさんは言います。子どもが最初からお医者さんが好きでなついていたら、必要以上に怖がらなくて済むのに、と。もしかしたら、「病院がこわいところ」と教えていたのはお母さんの方だったのかもしれません。
この絵本では、正義の味方のヒーローみたいにお医者さんが登場します。ヒーローは優しくて強いのです。頭もよさそうです。これなら、いつだって会いたくなっちゃいます。イメージって、案外大切ですよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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