SNSで話題!発売前重版! イライラとの上手な付き合いかたを、親子で学ぶ絵本です
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絵本紹介
2022.01.25
絵本ナビに掲載されている作品は、8万冊以上。その中からどんな絵本を選んだらいいのか、情報が多すぎて分からなくなってしまうという方もいらっしゃいますよね。
そこで絵本ナビでは、寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された絵本を「プラチナブック」として認定、とびきりの人気作品としてご案内しています。その中から上位30作品(2022年1月選定)をご紹介したいと思います。多くのユーザーの方から親しまれている作品は……? 絵本選びの参考にしてみてくださいね。
小さな子どもたちから絶大な人気を誇るこの絵本。大好きな探し遊びであるのはもちろんのこと、カラフルなお部屋と愛らしい形をしたきんぎょ、そしてわかりやすい場面転換に引っ張っていってもらいながら、すっかり夢中になってしまうのです。嬉しそうに指をさす様子が目に浮かびますね。
0歳の頃から、何年も繰り返し読み続けている子が多いというこの作品『きんぎょがにげた』は、なんと発売から40年も経つ、五味太郎さんの代表作の一つ。大人になったって、ページを開く度にため息が出るような、決して飽きることのない美しい絵本です。
娘は0才の頃からこの本が大のお気に入り。ページをめくる度に、娘は目を丸くして見入っていました。読み始めた頃は、まだ色や形を見て楽しむだけでしたが、1歳半を過ぎた今では、きちんときんぎょを指差して私に教えてくれます。そして、きんぎょ以外にも果物や動物を指差して、これ知ってる!と大興奮。何度読んでも、娘の喜びようは変化ありません。
(こまんとひひさん 20代・ママ 女の子1歳)
「がたんごとん がたんごとん」と「のせてくださーい」の繰り返し。きっとこれが小さな子どもたちには気持ちがいいのでしょう。最後は「しゅうてんでーす みんなおりてください」とでんしゃは行ってしまいますが、読み終わるとすぐ「もういっかい!」(あかちゃんは「ん!」と本をたたいたり)の声がかかり、たいていまた最初から「がたんごとん……」とエンドレスで読むはめになる絵本です(笑)。
子どもって、シンプルな繰り返しの絵本、大好きですよね。よびかけて、こたえがあって。それが繰り返される安心感。まっさらな心のつぼを刺激されるのかもしれません。
白・赤・黄・緑などきれいで鮮やかな色のくみあわせや、でんしゃのほのかな表情の変化がたまりません。1987年に発売以来、男女のあかちゃんを問わず、ずーっと人気があって売れつづけている絵本です。
出てくるものや動物たちの顔もシンプルな絵ですが、哺乳瓶やコップたちを乗せた時の汽車のちょっと得意そうな顔や、乗せてもらったお客さんの嬉しそうな顔がかわいいです。
散歩中に電車を見かけた時は「がたんごとん来たよ」といったり、離乳食の時に「がたんごとん」と言いながらテーブルに連れて行ったりお皿を運んだりと、日頃の生活の中での声かけも「がたんごとん」で楽しくなります。
(umiuniさん 30代・ママ 男の子0歳)
お手伝いをしながらほっとけーきを作る喜び。
(調理器具を並べるだけでもワクワクしちゃいます)
ほっとけーきが完成していく様子をみる喜び。
(ぽたあん どろどろ ぴちぴちぴち ぷつぷつ…音を聞いているだけでツバが出てきちゃいそう)
そして、「おいしい」をおともだちと共有する喜び。
(自分でつくったことをほめてもらったりしてね)
鮮やかな「オレンジ」を基調とした色で描かれた数々の名場面は、子どもたちの心に強烈に印象に残っていき、大人になってもそのワクワクの気持ちが色褪せることはありません。
「子どもがはじめて出会う絵本」「子どもがはじめて出会うおともだち」、そんな絵本をつくりたいと大人たちが真剣に考えながらつくった「こぐまちゃん」シリーズ。その願いの通り、今もずっとこぐまちゃんは子どもたちのおともだちです。
2歳になり、色んな事がわかるようになってきてから、
「今日はホットケーキ作ろうか!?」
と言うと、この本を持ってきて
「わたし、ほっとけーきつくるのよ」
と本と一緒にお手伝いしてくれます。
絵本と同じように、登場人物と同じように自分も出来る! という感覚が、子どもにしてはとても楽しい事なのでしょうね。
(ニッタッチさん 30代・ママ 2歳、0歳)
みどころ
濃い紺色の夕闇の中で、三角屋根のおうちにあかりがつきます。だんだん姿をあらわす、黄色くかがやくおつきさま。
「おつきさま こんばんは」
目をふせて屋根の上に顔を半分だした、おつきさまの「いいおかお」といったら。小さな絵本のまんなかに、本当に月がのぼったようです。読んであげると、ページをめくるたびに、幼い子がいきいきと反応することにおどろきます。雲に遮られおつきさまが泣きそうな顔をすれば、子どもも心配そう。雲がいってしまえば、あーよかったとほっとします。子どもは胸をときめかせて、おつきさまをながめ、「こんばんは」をするのでしょう。
今宵もまた、夜空を見あげれば、おつきさまに会える幸せ。林明子さんの傑作の一つに数えられるあかちゃん絵本です。
みどころ
「だ る ま さ ん が」「どてっ」。ページをめくれば、そのまあるい体が、かけ声と共にゆらゆら揺れ出して……ころんじゃった!! 今度は……「ぷしゅーっ」。あれ、ぺっちゃんこになった!?
0歳の赤ちゃんから大人まで笑ってしまうと、発売以来ずっと多くの読者を喜ばせ続けているこの絵本。柔らかそうな丸くて赤いかたまりが、伸びたり縮んだり、転んだり。目をつぶったり、開いたり、笑ったり。おまけに「ぷっ」とする。だるまさんっていう名前なんて知らない小さな子でも惹きつけられてしまっているのが、その反応を見ているだけでわかります。呼びかけるような言葉のリズムも声に出してみれば独特な「間」をつくってくれて、誰が読んだって笑っちゃうのです。
ユーモラスだけれど、どこまでも優しさを感じる表情。動きの愛らしさ。だるまさんが転ぶだけじゃない、という意外性。自然とスキンシップを取りながら読んでしまうこと。読んであげる大人の方が先に笑ってしまうこと。…それらが全部、この絵本が愛される要素になっているんですよね。
みどころ
はじまりは「しーん」と静か。やがて、「もこ」。地面の一部が盛り上がり。「もこもこ」、それは大きくなり、隣には「にょき」っと新たにちいさな盛り上がり。ページをめくるごとに次々に起こる驚きの展開。それらはどんどん大きく膨れ上がり……そして最後には!?
まったく不思議な絵本です。出てくる言葉は「もこ」「にょき」「ぽろり」と奇妙な擬音ばかり。色や形だって……この絵本を開いて頭にハテナを浮かべながらも、そのまま声に出して読み続けていると、横で赤ちゃんが、子どもたちが喜んでいる。どうやら、知らぬ間にこの絵本の世界に引き込まれて夢中になっているようなのです! まだ経験されていない方は、ためしに手にとってみてくださいね。
いかがでしたでしょうか。それぞれの作品のページには、たくさんの「読者の声」も掲載されています。まだ読んだことのない絵本や、気になった絵本があれば、合わせてのぞいてみてくださいね!
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。