リビーはお母さんに「うそ」をつきます。
友だちと遊びに行きたいから、はじめてついた「うそ」。
口からするりと出てきたそれは、でもお腹が苦しくなって、涙があふれて……。
もうこんな思いはイヤ、リビーはその日から誓います。
「これからは、ほんとうのことだけをいこう」
ところが。
リビーが正直に思ったことを言えば言うほど、
ほんとうのことを言おうとすればするほど、
まわりのみんなが怒ってしまう。
「ほんとうのことは、いいことよ」って教えてくれたタッセルベリーさんのことも傷つけてしまった。
……どうして?
悩むリビーにヒントを与えてくれるのは、やっぱりお母さん。
「ほんとうのことをいう」ってどういうことなのか。
やがて、リビーにもお母さんが言っていることがわかる時がきます。
子どもたちが素直に考えれば考えるほど、正解がわからなくなる。そう、世界は年齢とともにどんどん複雑になっていくのです。でも、子どもたちは経験しながら、ちゃんと考え、学びとっていくことができます。一番大事なのは、相手の気持ちをおもいやるってこと。
アメリカからやってきたこの絵本は、一つ一つのやりとりが、とってもリアルでわかりやすく、今の日本の子どもたちの心にもストレートに響くはず。そして絵本の中で成長していく少女の様子を眺めながら、私たち大人も忘れかけていたことを一緒に取り戻す、そんな力のある一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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