ある日、うさぎさんがちいさなかばんをつくりました。
うさぎさんがつくった印に、しっぽもつけて。長いひもも編んでしっかり縫い付けて。
うさぎさんが肩から提げてぴょんぴょんはねると、かばんもはねます。
ぴょん ぴょん ぱん
ぴょん ぴょん ぱん
なんて可愛いかばんでしょう!
いつの間にか、うさぎさんは花の野原に来ていました。
そこで出会ったきつねややぎのお母さんは、一目でかばんを気に入って言うのです。
「素敵なかばん、ほしいな」
うさぎさんはその度にうちへ帰って、みんなのためにかばんを作ってあげます。
かばんはみんなに大人気。ところが最後にやってきたのは大きな大きなぞうさんです。
困ったな、もうきれがない。
そこで・・・。
うさぎさんと一緒にはねるかばんを見ていると、気持ちがどんどん軽くなっていきます。
かばんがはねる可愛らしいリズムの言葉を聞いていると、何だか嬉しくて一緒にはねまわりたくなってきます。
素敵なかばんと、やさしいうさぎさん。そして可愛らしくて温かな絵に包まれたこの絵本は本当に幸せな1冊ですね。
さて、最後に残ったこのかばん。一体どうしようかな?
子どもたちみんなの意見を聞きたくなっちゃいますね。
誰かを思う気持ちと、想像力が広がっていく絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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