夕方、保育園から帰るとき、とっちゃんはママに言いました。
「もっとあそんでいたいな」「あとで、あとで。さ、かえろう」
とっちゃんの家は、おそうざいやさんで、これからお店が忙しい時間になります。
家についても、とっちゃんは一人ぼっちでおもしろくありません。
「ママ、あそぼ!」とっちゃんがいうと、「あとで あそぼ。えをかいて まっていて」と、ママからの返事……。
とっちゃんは絵を描いて待ちました。
けれど、画用紙を全部使い終わってもママはやってきませんでした。
とっちゃんはママに聞きました。
「ママ……“あとで”って、いつ?」
「“あとで”は“あとで”。ちょっとまって、ってこと!」
ママが大きな声で言ったので、とっちゃんは、それっきり、黙ってしまいました……。
我慢するとっちゃんのけなげな姿や、親子の心が通じ合う姿を丁寧に描いています。
読み終わった後、優しい気持ちになれる一冊です。
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