ゆうゆは、ねえたんが大好き。
ねえたんみたいになりたい。だからねえたんと同じことしたいの。
一緒に寝て、一緒にごはん食べて、一緒に遊んで。
ずっとべったりがいいの!
でも、今日はねえたんは一人で出かけてしまい・・・。
いつも後ろからちょこちょことついてくる小さな妹。そんな妹を持て余しているお姉ちゃん。こういう光景、よく見ますよね。お姉ちゃん大変だけど頑張って!と心の中で応援したりして。
でも、この絵本は小さな妹の気持ちが丁寧に描かれていて、よく伝わってきます。大好きなねえたんとずっとべったりしていたい。理由なんかないし、べったりがどうしてダメなのかなんて知らない。考えたってわからない。
そうか、そうなんだね。
ゆうゆの気持ちが伝わってきた頃、ねえたんはちゃんと迎えにきます。
「ゆうゆはまだ小さいから、べったりはいいことにする。」
ねえたんの優しさを充分に包まれながら、ゆうゆはちゃんと成長し、自立していくのです。
子どもたちは小さな体の中で葛藤をしながら、心の成長を繰り返していくんですね。
そんな姿を見せてもらえるのが、大人の最高の幸せです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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