『じゃんけんのすきな女の子』と聞くと、「あれ?この響き何だか聞きおぼえあるなぁ」なんていう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうです。今から40年も前に発売されて以来、ちょっとかしこい女の子とオオカミの爽快なやり取りが子どもたちに喜ばれ続けている『なぞなぞのすきな女の子』という幼年童話の、待望の第2弾となるのがこの作品なのです!
松岡享子さんの文章と大社玲子さんの絵のコンビも健在です。それだけでワクワクしちゃいますよね。
今度の主人公の女の子はじゃんけんが大好き。
「じゃんけんぽん!じゃんけんぽん!」
誰とでもじゃんけん、何を決めるにもじゃんけん。朝から晩までじゃんけんです。
例えばこんな風。
「その服は今日せんたくするのよ、すぐに着替えてらっしゃい。」
お母さんが言えば、
「じゃんけんでお母さんが勝ったらね。」
それからお父さんが「早く寝なさい」と言えば、
「あたしが負けたら、寝てあげる。」
…これはなかなか大変なことになっていますね。
お父さんもお母さんもすっかり腹を立てて言います。
「ものごとには、じゃんけんで決めていいことと、悪いことがあります!」
二人がじゃんけんをしてくれなくなったら、今度は自分ひとりでじゃんけんを始めちゃう始末。(でも、どうやって?)
ところがある日、女の子が一人でお留守番をしていると、とんでもない相手とじゃんけんをしなければいけなくなり…それも、とてもとても大事なことを決めるために!?
「なぞなぞ」の次は「じゃんけん」。姉妹版らしく、どちらに出てくる女の子も同じくらい個性的。生き生きと自分らしくふるまって、物語とまわりの人たちをぐいぐい引っ張っていってくれます。「なぞなぞ」の女の子みたいに、「じゃんけん」の女の子も、きっとこれから多くの子どもたちを夢中にさせてくれるに違いありません。
個人的には、“とんでもない相手”の出す「チョキ」がたまりません。完敗です。
魅力的な絵がたくさん入っている、楽しい幼年童話です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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みぢかなあそびからお話がひろがる、
子どもの心をつかむロングセラー童話
シリーズ50周年記念の新装版
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読んであげるなら4・5歳〜。
自分で読むなら小学校低学年〜。
絵本から物語へのステップアップにぴったりの、夢いっぱいの幼年童話。
発刊50周年を記念して、美しく、読みやすく生まれ変わった新装版です。
■あらすじ
とてもじゃんけんのすきな女の子がいました。だれとでも、何を決めるにもじゃんけん。
だから、おとうさんもおかあさんも少々あきれ顔。
ある日、留守番中の女の子は、大事なことを決めるじゃんけん勝負をすることに!
■新装版 3つのポイント
@原画の本来の美しさを再現
最新技術で、イラストがよりあざやかに美しくなりました。
A厳選されたフォント
文字のあたたかみと、読みやすさ、どちらも重視したフォントを厳選。
B50周年を記念した特別エピソードを掲載
ここでしか読めない、50周年を振りかえるエピソードを巻末に掲載。
■さく・松岡享子
創作に『なぞなぞのすきな女の子』『じゃんけんのすきな女の子』『とこちゃんはどこ』、翻訳に『しろいうさぎとくろいうさぎ』、『番ねずみのヤカちゃん』、「うさこちゃん」シリーズ、「パディントンの本」シリーズ、「ヘンリーくん」シリーズなど、200作を超える児童書を手がける。2021年10月、文化功労者に選出。
■え・大社玲子
子どもの本の挿絵を多く手がける。『なぞなぞのすきな女の子』『じゃんけんのすきな女の子』『みしのたくかにと』『さくら村は大さわぎ』など多数。また、ドイツ語の翻訳に『くろて団は名探偵』、「くろグミ団は名探偵」シリーズがある。
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