何かを運ぼうと思ったらどうする?
まずは、手で運ぶ。入れ物に入れたらもうちょっと運べる。
二人ならたくさん運べるな。運ぶ商売も喜ばれる?
だったら、車輪をつけてもっと重いものを。いやいや、人も一緒に運んで・・・。
「はこぶ」ということをテーマにスタートしたら、どんどん方法や道具が展開して進化していくよ。
これは面白い!!
もっと早く、もっとたくさん、もっと遠くに。
そんな思いから生まれてくるのは荷車、フォークリフト、コンテナ船、バイク、トラック、電車にジャンボジェット。
ただ運ぶだけじゃないよ。安全に無事に。楽しく。
トンネル掘って、道路をつくって、橋を渡して。
うーん、人はこんなにも「はこぶ」ことに一生懸命だったのか・・・。
何かを運ぼうとしている人、それを運ぶために生まれた道具。
並べていくだけで、こんなにも様々な絵が見えてくるなんて。
ただただ、驚いてしまうのです。
美しく明確に描かれた絵の迫力が、更にこの絵本の魅力を増しています。
歴史や時代を感じる服装、仕事として働く人々、精巧な機械や壮大な乗り物。
いつまで見ていても飽きる事はありません。
そして、ついにはあんなところにまで・・・「はこぶ」!!
人の好奇心の広がりの果てしなさに、思わず感動してしまう1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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