病気になった北の国の森。
森の病気をなおすため、おおきな魔女とちいさな魔女が、曇りがかった満月の夜を飛んでいきます。
おおきな魔女はお母さん、ちいさな魔女は娘です。
北の国の森の治療中、こんどは南の森が病気にかかります。どちらの森にも、魔女の助けが必要なのです。そこで、母娘が下した決断は…。
小さな魔女の決意も、大きな魔女の決意も、どちらも胸にささりました。特に「もしかすると…」に続く一文にすべてが詰まっている気がして、続く物語を読み進めるまえに、詰めていた息を吐き出しました。
全体が黒や藍色で描かれている絵は、暗いのに怖くなくて…すごく説得力があります。
頼もしさと、勇気と、切なさと、少しの苦しさが混ざった、何とも言えない気持ちになる一冊でした。
年齢に関わらず、巣立ちを迎えた人たちにお勧めしたいです。