山本さんの挿し絵による、車ずかんや、電車の絵本は多い。なかでもこの一冊は、躍動感があり、細かく丁寧に描かれた暖かい挿し絵にほっとする。
話は単純。田舎に向かって、母と娘が、
いろんな電車を乗り継ぐというよくある設定。
しかし、背景には、田園風景や、
谷を越える橋など、日本古来のほっとする「ふるさと」を感じさせる景色が並ぶ。
書き込みすぎないシンプルな描写がより、読み手のもつ故郷や旅先で見たかつての風景を思い起こさせることに助力し、懐かしさを感じる。
二歳の乗り物好きな息子も飽きずに読める。
文量もちょうど良い。