恐竜絵本作家の黒川みつひろさんが描く、「たたかう恐竜たち」シリーズ。
主人公、トリケラトプスのリーダー「ビッグホーン」とその息子の「リトルホーン」は、いざ、ティラノサウルスとの決戦の舞台へ・・・。
ある日、ツノ竜エイニオサウルスの子ども「ニオ」が、トリケラトプスたちの砦へやってきます。
新天地を求めて移動してきたツノ竜たちの群れが、ティラノサウルスに行く手を阻まれていると、ビッグホーンたちに助けを求めに来たのです。
「われわれもツノ竜のなかまだ。むれをたすけるために、ティラノサウルスとたたかおう」ビッグホーンは決断します。
「赤い岩」と呼ばれる山のふもとには、多くのツノ竜たちが待っていました。たくさんの種類のツノ竜が大きな群れになっているようです。
ビッグホーンたちは、彼らに力を合わせて戦おうと提案しますが、ツノ竜たちは、長い旅に疲れて戦う元気がありません。容赦なく襲い掛かるティラノサウルスに、トリケラトプスとツノ竜たちはどのように立ち向かうのでしょうか。
今作は、恐竜同士の戦いがいつもに増すスケールで繰り広げられます。映画のようなダイナミックな展開と迫力で、最後までハラハラドキドキ、手に汗にぎります。
何より圧倒されるのは、絵本に描かれるツノ竜たちの数!画面いっぱいにびっしり並んだツノ竜たちは、壮観のひとことです。色とりどりのツノ竜たちが岩の前にずらっと並ぶシーンは、恐竜ファン、特にツノ竜ファンにはたまらない光景なのではないでしょうか。7000万年前、北アメリカにはさまざまなツノ竜が大繁栄したんだそう。絵本の中で、そんな白亜紀後期のツノ竜たちが勢ぞろいしますよ。ツノや大きなエリ飾りが、それぞれとてもユニークでかっこいい!
お話を通して、子どもたちは、太古の時代に大陸を闊歩したツノ竜たちへ思いをはせ、そして、小さくても果敢に敵に向かっていくリトルホーンと、力を合わせて戦う仲間たちの姿に、勇気をもらうことでしょう。
物語を存分に楽しんだ後は、巻末のイラストと解説で、じっくりツノ竜についての知識を深めてみてくださいね。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
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