
仲良しのかえる、がまくんとかえるくん。ふたりの間で繰り広げられるのは、濃くて、可笑しくて、ちょっぴり切ない……様々な愛すべきエピソード。アーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズは幼年童話の傑作として、子どもから大人まで、たくさんの人たちに40年以上も愛され続けています。
そのシリーズ第2作目が『ふたりはいっしょ』、5つのお話が収録されています。
「ぼくにはすることがいっぱい」。がまくんは一日の予定を書き出し、一つずつこなしていきます。ところが、その予定表の紙が風に吹き飛ばされてしまい…!? 最初のお話「よていひょう」で、途方に暮れるがまくんに寄り添うのは、もちろんかえるくん。
そんなかえるくんの素晴らしいお庭を見て、がまくんも自分の庭づくりに挑戦するお話が「はやく めを だせ」。続くお話「クッキー」では、がまくんのつくったクッキーが美味しくて、食べるのをやめられない二人の奮闘が可笑しくてたまりません。
「ぼくたち ゆうきが あるかしら?」本の中に登場する主人公のように、自分たちにも勇気があるのかどうか、山に登って確かめに行くお話「こわく ないやい」。そして、立派な服を着て、ピアノの演奏や綱渡り、ダンスを披露するがまくんと、それを見ながら、なぜか体がどんどん小さくなっていく「がまくんの ゆめ」が最後のお話。
色んな事を考え、色々な事が起こる日々だけれど、その長い素晴らしい一日を、がまくんとかえるくんは一緒に過ごすのです。読めば読むほど、ふたりの日常が愛おしくなってきますよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

がまくんとかえるくんの物語「よていひょう」「はやくめをだせ」「クッキー」「こわくないやい」「がまくんのゆめ」の5編を収録。ニューベリー賞受賞作。

五つの日常的な物語で語られていることから、なるほどと思いながら、いろいろと感じ入ることがあります。このシリーズ、ハデさはありませんが、二人のやり取りから学ぶのことも多いと思います。
「予定表ってなんだろう」、「自分の努力は忘れた頃に報われる」、「自分の我慢のために思いつくこと」、「痩せ我慢は命がけ」、「かえるくんの存在感」と、様々な切り口で教えがあります。
奥行きのある童話集です。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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