ありそうでなかった、こんな絵本。描かれているのは9つの職業の人達がそれぞれ持つ自分の城、「しごとば」。実際に覗き見しているかのごとく、忠実にわかりやすく描かれています。
例えばすし職人。普段は見ることが許されないカウンターの向こう側。とにかくネタから道具まで細かく描かれています。包丁だけでもさしみ包丁、たこひき包丁、柳刃包丁、あじきり包丁……それだけでも何だかワクワクしてくるのです。お茶っぱ、電卓、出前のメモ、野球選手のサインだってあります。
歯医者さんはどうなっているのでしょう。タービン、マイクロモーター、かんし、咬合紙……単語だけでは何のことだかわかりませんね。仕事ぶりもユーモアたっぷり、丁寧に描かれています。
極めつけは新幹線の運転士。作者の鈴木のりたけさんは、何と新幹線の運転士のご経験があるのだそうです!期待を裏切らない細かい情報の数々。運転士さんの1日だって見られます。
この絵本が素晴らしいのは、仕事場を見ているだけでそれぞれの職人さんが仕事に誇りを持っていること、楽しんでいる事が伝わってくる事。小さい頃にこんな絵本を見ていたら、仕事に対する興味も全然違ったのではと、ちょっとうらやましくもなってしまいますね。続きが早く見たいものです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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●9職業 9のしごとば
美容師・新幹線運転士・すし職人・自動車整備士・木のおもちゃ職人・革職人・歯医者
パティシエ・グラフィックデザイナー・+1
●仕事の現場が絵本に!
子どもたちに人気の、9職業・9のしごとばが大集合!
すべての職場を取材し、「しごとの現場」を再現しました。使う道具や、
しごとの流れもくわしく紹介。見ればみるほどおもしろい「しごとば」をのぞいてみませんか?
●しごとはつながっている!
「新幹線運転士」が「すし職人」のお店でおすしを食べていたり、せり帰りの「すし職人」が
「自動車整備士」のところに立ち寄っていたり・・・・・・。
自分の得意を生かした仕事は、ほかの人たちの役に立っている・・・・・・。
作者のそんなメッセージが、遊びごころいっぱいに散りばめられています。
そうしたしかけをさがすのも楽しい絵本です。
↓鈴木のりたけさんが直筆メッセージを描いてくださいました!!
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