ホー ホー ホー。
もみのきマンションから聞こえてくるオカリナの音。
2階に住む、きつねのこんくんが演奏している音です。
こんくんは毎年、秋になると村にやってくる渡り鳥の音楽隊と、
音楽発表会をする約束をしていました。
宝物のしんじゅ色のオカリナを手に、毎日、一生懸命、練習を重ねます。
でも、渡り鳥はなかなか村にやってきません。
「はやく、あきに ならないかなあ。わたりどりは まだかなあ」
空を見上げて、つぶやくこんくん。
そんなこんくんを、同じもみのきマンションの仲良し、
うさぎのはなちゃん、りすのりすこちゃん、あひるのがあおくんが励まします。
「あきが なかなか こないなら、みんなで あきを みつけに いこうよ」
4人は早速、秋を探しに出かけます。
「山ブドウの葉が赤くなったら秋だ」という、農園のぶたおさん。
「木の実が全部落ちたら秋だ」という、冬ごもりの準備中のくまごろうさん。
「秋はやきいもと一緒で、ゆっくり待つことが大事」という、あなぐまじいさん。
どうやら秋の見つけ方は、動物たちそれぞれにありそうです。
こんくんは、ゆっくり秋を待つことにしました。
すると、ある日……。
『クリスマスのおかいもの』『おまつりのねがいごと』で、
とってもかわいい動物たちの日常を見せてくれた「つんつくむらシリーズ」。
秋のおはなしでは、輝くような黄金色の世界と、華やかな音楽会の世界、
そして、美味しいごちそうの世界をたっぷりと見せてくれます。
秋のはじまりに読んで、ゆっくりと秋を探しに行きたい絵本。
あなたの秋はどんな秋?
(木村春子 絵本ナビライター)
続きを読む