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かってきままにはえているように見える雑草が、互いに激しい生存競争をくり広げているのを知っていますか。必死で生きる雑草の姿を優しく鋭く描いた絵本です。

最近「Googleレンズ」の機能を知ってから、散歩が楽しい。
見つけた草花にスマホを向けて調べると、その名前や特徴がわかるというすぐれもの。
名前がわかるだけで、随分親しみが違ってくる。親しみがわく。愛おしくなる。
つい歩く速度が遅くなるが、それもまた愉しい。
そんな楽しみもいいけれど、
絵本作家甲斐信枝さんの草花の絵本を開くのも、またいい。
甲斐信枝さん(1930〜2023)は、雑草の美しさにひかれ生涯を通じて草花を描き続けてきた絵本作家。
草花をテーマにしたたくさんの作品を残しているが、この『ざっそう』もそんな一冊。
「雑草という草はない」といったのは昭和天皇だが、
確かに草にはすべて固有の名前があり、特徴がある。
背がのびるもの、地をはうもの、踏まれるたびに広がるもの。
甲斐さんはそれらの草草をやさしく見つめて、そして描く。
「よく みてごらん。」
これはこの絵本に書かれた、甲斐さんからの呼びかけ。
そう、まずしなければいけないのは、よく見ること。
大きな花を咲かせるわけでも、いい香りがするわけでもないが、
草草にもそれぞれ違う表情があることに気づくはず。
甲斐さんの絵本はそのことをそっと教えてくれる。
「Googleレンズ」もいいけれど、見つけた雑草の名前を
甲斐さんのこの絵本で見つけるのも、またいいものだ。 (夏の雨さん 70代以上・パパ )
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