ある暑い日、1頭のライオンが帽子を買おうと、街にやってきました。
ところが街の人たちにおいかけられ……
逃げこんだのは、アイリスのうちの庭の、おままごと用の小屋。
あれ、ライオンったら、ほとんどはみだしていますよ。
アイリスはライオンを家のなかに入れてあげました。
おとうさんとおかあさんに見つからないように、こっそりと。
だって、おとうさんとおかあさんが知ったら、びっくりしておおさわぎしちゃうでしょう?
アイリスは、ライオンとたのしくあそびます。
ん? そんな大きなライオン、アイリスはこわくないの?
それに、家族に見つからないようにするなんて……できるの?
小さな女の子が、大きなライオンをかくすのは、とってもたいへん!
でもね、アイリスはがんばります。
それにこのライオンさんったら、素敵なんです。
思わずさわりたくなる、あたたかそうな大きい体。
情けない顔をしたり、なでられてうっとりしたり、表情ゆたかな姿を見れば、
きっとあなたもライオンが好きになっちゃうはず。
大事なときに「ぐわああああっ」と吠えてとびかかる瞬間は、迫力満点。
こんなライオンと暮らしてみたい!
作家のヘレン・スティーヴンズは、1972年生まれのイギリスの絵本作家、イラストレーター。
本書は15か国言語に訳され、あっという間に世界の子どもたちの大好きな絵本に仲間入りしました。
のびのびしたタッチと、しゃれた色彩が素敵ですよ。
続編『おばあちゃんからライオンをかくすには』もあわせて読んでみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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