「おやすみ、ウイリー。
あした、きみ がっこうへいくんだよ。」
大丈夫、学校って素敵なところさ。
だから、おやすみ。
君は大きくなったんだから、灯りを消しても寝れるよね。
……でも、今夜だけ。
「ウイリー? まだおきてるの?」
のどが渇いてるんだ!
ぼくも飲んでいい? ああ、落ち着いた。
もう寝れるよね。
一晩寝たら初めての学校の日。楽しみだってあるけれど、やっぱりちょっと落ち着かない。不安だってある。だけど、ぼくだってこんなに大きくなったんだから、きっとがんばれる。先生に会って、給食を食べて、友達にも会って……。
行ったりきたりの気持ちを聞いてくれるのは、大好きなクマのぬいぐるみ、ウイリー。新しい一歩を踏み出そうとする彼を見送ってくれるのだって、ウイリー。自分をはげまし、奮い立たせる方法は色々あるし、ちょっぴり時間だってかかるもの。この愛らしくも健気なやり取りこそ、大切で邪魔をしてはいけない瞬間なのです。
さあ、いってらっしゃい。急がなくても大丈夫、 ウイリーと一緒に、その背中をしっかり見守っているからね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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