町外れの小さな家に、一人で住んでいるおじさんがいました。このおじさん、おいしいごちそうを作って食べるのが大好き。でも、食べ終ったときにはくたびれてしまって、後片付けがいやになってしまいます。始めのうちは、流しの中が汚れたお皿でいっぱいになる程度だったのが、次第にテーブル、本棚、椅子、ラジオの上と、どんどん場所が占拠され、いつの間にか家中、汚れたお皿でいっぱいになってしまいました。
汚れたお皿を洗わないという、こっけいな状況がユーモラス。こんな事態になってもまだまだお皿を洗わないおじさん……という展開が、次はどうなるのかという興味を抱かせます。このお話は、ガンに病む小さな男の子のために作者クラジラフスキーが書き送った手紙の中の一話で、その子が一番好きだったものだそう。子どもたちには明るい笑いをという作者の信条がそのまま表れたストーリー展開に納得です。黒、濃赤、黄緑の3色のみで表現した端正なイラストが、さらりとこのユーモアを演出します。 ――(ブラウンあすか)
おいしいごちそうを作るのが好きで,食べるのも大好き! けれども,食べ終わったときにはもうくたびれて,家じゅうよごれたお皿だらけ…….一人暮しのおじさんは,さてどうしたでしょう?
表紙の構図が楽しかったのでこの絵本を選びました。主人公のおじさんが徹底した性格なのが良かったです。どんな状況になっても自分の好きな料理だけは決してやめないところが筋が通っていて気に入りました。どんどん重なっていくお皿に魅せられました。 (なびころさん 30代・ママ 女の子3歳)
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