おおきな、おおきな、うしのもーさんに出会った男の子。
「ねえ もーさん、おおきなせなかにのっけてよ」といってみます。
すると……
「いいとも。ぼくは おおきくて ちからもち」
もーさんはそういって、こころよく男の子をのっけてあるきだします。
おでこにひゅっと風がふき、男の子はにこにこ顔。
ねこのにゃーさんがやってきて
「いいな いいな。わたしものせて」
いぬのわんくんがやってきて
「ぼくものりたーい。ぼくものりたーい」
たぬき3きょうだいに、いのししののっさんまで……。
もーさんが次々乗せてくれるので、みんなはおおよろこび。
気持ちよさそう〜に、もーさんの背中で風にふかれます。
それを背中で感じていたもーさん。
ついにたちどまって、ぽそっと一言。
「ぼくも……のってみたいなあ」
ええっ!? もーさんも!?
みんな、もーさんを持ち上げられるかな!?
風木一人さんによる、素朴でチャーミングな言葉のくりかえしが素敵です。
絵は『うんこ!』『バルバルさん』などでしっかり力のこもった、あたたかみのある絵を描く西村敏雄さん。
もーさんのゆったりした姿がいい感じですよ。
のんびりあるくもーさんの背中。ゆっさゆっさとゆれる背中。
動じないもーさんと「おでこにひゅっと風がふく」、その空気にじわっと癒されます。
親子ともども安心して楽しめる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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