生きていること いま生きていること……とさまざまな人生の瞬間の情景を連ねる、谷川俊太郎の詩『生きる』が初めて絵本になりました。小学生のきょうだいと家族がすごすある夏の一日を描き、私たちが生きるいまをとらえます。足元のアリをじっと見つめること、気ままに絵を描くこと、夕暮れの町で母と買い物をすること……。子どもたちがすごす何気ない日常のなかにこそ、生きていることのすべてがある、その事実がたちあがってきます。
とても素敵な詩の絵本でした。
谷川俊太郎さんの詩を絵本にしたものです。
谷川さんのあとがきを読むと、この詩を書いたのはだいぶ前のことだったそうです。(昭和の香りはしますが、古さは感じません)
谷川さんが書いたあとがきも素晴らしいので、この作品を手にした時はぜひ、あとがきまでしっかりと読んでいただきたいなぁと、思います。
絵を担当された岡本よしろうさんは、一つの家族の「ある日」を追うようにして描かれていました。
それが谷川さんの「詩」の風景にとても合っていて、読みやすかったです。
幼稚園の年長さんくらいの男の子と、3つ上くらいの女の子、おとうさんとおかあさん、それにおじいちゃんの5人家族の日常です。
≪生きているということ
いま生きているということ≫
という言葉に合わせて描かれているのは、リビングに置かれた一枚の写真。
それは、下の男の子が生まれたばかりの、お宮参りに行っている写真でした。写っているのは赤ん坊の男の子、小さいお姉ちゃん、お父さんお母さんと、おじいちゃん“おばあちゃん”です。
「いま」この家族におばあちゃんはいません。
子どもたちの洋服や遊び道具、町の商店街など、昭和のにおいのする風景でした。
なんと、町を歩いている人がひとりも携帯をいじっていいない!
(最近はどこに出かけても大人も子どもも携帯をいじってますよね〜)
子ども部屋に置かれた小さな扇風機も、商店街の壁にかかっている「氷」の店頭幕(でいいのかな?)も昭和っぽいです。
ただ一つ、とても平成のモノっぽかったのが、薄型テレビ!リビングのほかのものはどれも昭和っぽかったのに、なぜ、テレビは薄型だったのでしょうか。
1ページ1ページじっくり見せながら小学校4年生以上の子どもたちに読んでみたいな〜と思いました。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子22歳、女の子17歳)
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