「そうじきの なかは さがしましたか?」
「けさは そうじを していません。それに ゆうべは あったんです」
みんな大好き「おたすけこびと」シリーズの第5弾!
今回も、こびとたちがはたらく車を駆使しながら、人間に依頼されて仕事を手伝います。
表紙の絵を見ただけでも、胸が高まってしまう子もいるでしょうね。
どうやらお話は、なくしてしまった赤いボタン(女の子のウサギのぬいぐるみの目)を部屋中探しまわるところから始まるようです。
広い応接間を小さな小さなこびとたちが必死で捜索しています。大変な作業です。だけどこびとたちの手にかかればあっという間。
「ほら、もう みつけた。」
懐中電灯が、ものかげに転がっていた赤いボタンを照らしだします。なんだかスムーズです。
・・・ところが、彼らに思わぬ事件が。
赤いボタンが空中に飛び上がっていき、戸棚の上の水槽にポチャン!
「たいへんだ!!」
ここからがすごいのです。
クレーン車や高所作業車、そして潜水艇まで登場します。
とうとうおたすけこびとが・・・水にもぐる!?
子どもたちにとって、いつも外側から穴のあくほど覗いていたあの世界。
時間が経つのも忘れて、いつまででも観察していた憧れの空間。
その中に、こびとたちが突入していきます。
道具を上手に使いこなし、知恵を絞っていくつもの難題を突破していきます。
その様子を見ているだけでは飽き足らず、思わずつぶやいてしまうでしょう。
「私もこびとになりたい。」
さて、その大仕事の様子は絵本を読んでからのお楽しみ。
画面のすみずみ、どこを見たって小さな物語がたくさん待っています。
力の入った今作は、コヨセ少年が見ていた夢とも重なるようですよ!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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