フェリシモ出版の「おはなしのたからばこ」シリーズ12巻は、スウェーデンの民話『くぎのスープ』。 森の中の一軒家に、とっても「けちんぼう」なおばあさんが住んでいました。 ある秋の夜、「ゆかにねかせてくれるだけでいいから」と、一人の旅人がおばあさんの家を訪ねてきました。おばあさんは、しぶしぶ泊めてあげることに。 「はらへった」と言う旅人に「うちにたべものなんかありゃしないよ!」と答えるおばあさん。 しかし、旅人は言いました。 「そのなべに、みずをいれてもらうだけでいい」そして上着からくぎを1本取り出して、「おれは、このくぎ1ぽんで、うまいスープをつくれるんだ!」 そして、男は言葉通り、おばあさんが感動するほど美味しいスープを作るのです。 一体どうやって、1本のくぎで美味しいスープを作ったのでしょうか!? それは読んでのお楽しみ。 テンポの良い文章と、スズキコージさんの迫力ある絵に引き込まれて、「次はどうなるの?」と早くページをめくりたくなることでしょう。そして最後のページにたどり着くと、その絵と同じように踊りたくなること間違いなし。とっても愉快な気持ちになる一冊です。
(洪愛舜 編集者・ライター)
冬に読みたいスウェーデンの民話。『くぎ一本でうまいスープをつくる』という謎の男に、けちん坊なおばさんは……。心地よいテンポの文章とスズキコージさんの絵の魔法にかかってしまう一冊です。
同種のお話で、「しあわせの石のスープ」「オオカミと石のスープ」が大好きなので読みました。
それぞれに工夫があるので、好みは分かれると思いますが、少なくてもこの本は読み聞かせには使いにくい本です。
暗い色のシーンは遠目がきかないでしょう。
このお話のポイントは、けちんぼうなおばあさん、というところでしょうか。
「オオカミと・・・」のオオカミはがっかりして帰ったし、「しあわせの・・・」のおぼうさんたちは村人に感謝されました。
この旅人は、おばあさんをだまして得して帰りました。(おばあさんが親切だったら、だまさなかった?)
おばあさんは今は感謝してますけど、だまされたことに気がつくかしら?
でも、読んでいるうちにおばあさんがけちに思えなくなってきたんだけど・・・ (きらきら虫さん 40代・ママ 女の子16歳、男の子13歳)
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