表紙の絵でちぎった人形を持って不敵な笑みを浮かべる悪そうな赤い大きな猫、それが「あくたれ」ラルフ。セイラの猫です。
でも・・・これが相当な「あくたれ」なのです。セイラを困らせてばかりか、セイラの大好きなパパを怒らせたり、ママを悲しませたり。あんまりの振る舞いに、みんなでサーカスに行った時とうとうみんなを本気で怒らせてしまいます。
ラルフの「あくたれ」ぶり、その後のラルフの受難、そしてそれを大きく上回る家族の愛情。その3つがこのお話にめりはりをつけてぐいぐいと惹き付けられる展開になっています。アメリカで大ヒットしたこの絵本、世界中で愛されているのもうなずけます。
良い子にもいたずらっ子にも「ぴりっ」と効きそうな絵本ですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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