長野ヒデ子さんの「うたあそび絵本」シリーズです。絵本の巻頭に収められているヒデ子さんの「何でも歌にして口ずさむと、楽しくなる」、「そのうえ、すばらしい絵にワクワク!」この2つの言葉に作品の魅力がぎゅっと凝縮されているんだと思います。「うれしさと楽しさのおすそわけ」という絵本の中身を早速見てみましょう!
♪おーなみ こなみ かーぜが ふいたら まわりましょ♪
舞台はもちろん夏の海。楽しい歌にのせて、気持ちの良い風、ぎんぎら照りつけられている波、夏休みにやって来るにぎやかな海水浴客、かき氷屋さんや突然の夕立など、存分に夏を感じられる場面が続き、気持ちも一緒に高揚してきます。口ずさんでいると本当にワクワクしてくるのです。
西村繁男さんの描く海水浴客のはしゃぎっぷりも最高です。細かい部分まで見逃せません。でもどこか懐かしい雰囲気も漂って・・・。浜辺の松の木、海岸線の電車、海の家の様子など「この景色見覚えがある!」という方もいるかもしれませんね。
♪ゆうだち おひるね すずしいね♪
昼間の明るい海だけでなく、夕方の海、花火の上がる夜の海の風景も美しく。そして夏の夜に夢見る海はどんな海?
やがて夏も終わり、海にも季節の移り変わりがやってきて・・・。
楽しい歌とともに、また来年のまぶしい夏の海の季節を待ちましょう。
その時にはまたこの絵本を引っ張り出してくるのも忘れずにね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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