「あつい あつい」
夏は暑いよね、本当に暑い。
強い日差しの中、ペンギンが探しているのは涼しいところ。
「ひかげだ ひかげだ」
良かった、良かった。
日陰があれば、ひと安心。ところが、それは……アザラシさんの影!
こりゃ大変だと、今度はふたりで日陰を探してひと休み。
ああ、涼しい。
ところが、それも……!?
何も描いてないのに、不思議と空気感や暑い温度まで伝わってくる背景。
その中に唯一存在する日陰は本当に涼しそう。
そして、汗をかいたり、涼んだりを繰り返したりする動物たちの表情の豊かなこと。
これぞまさしく夏!
だけど、夏の本当の醍醐味は最後にやってきます。
どこからか聞こえてくるのは、「ザザザ、ピシャピシャ」。
この音は……ざっぶーん!!
読み終えれば、なんて気持ちのいい絵本なのでしょう。
なんて爽快な気分にさせてくれるのでしょう。
小さな子どもたちも、きっと夏が大好きになってしまう1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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