
今この瞬間の現実からわたしを解き放つ魔法のマーカーがあったら・・・。
一緒に遊ぶ友だちもいない。 ママもパパもいつもいそがしい。 お姉ちゃんも相手にしてくれない。 わたし・・・ひとりぼっちだ。
そう思った時です。何かが起こりました。 部屋の片隅に転がる真っ赤なマーカー。すぐにわかりました。なんだか他のマーカーと違う。迷うことなく部屋の壁に赤いマーカーで扉を描きます。赤い扉は本物になり、わたしは扉を開いて未知の世界へと足を踏み入れます。そこには見たこともない巨大な森、時代も場所もわからない謎の王国が登場します。わたしは導かれるように、川があれば赤いマーカーで舟を描き、舟がなくなれば気球を描き、自由自在にその不思議な世界を渡り歩きます。 この世界に自分と同じ境遇の子が迷い込んでいるとも知らずに。
アーロン・ベッカーさんの文字のない絵本。 言葉で表現せずともこれだけの心躍る大冒険が、手の平の中で繰り広げられる驚き。その巧みなストーリー展開と一気に引き込まれる圧倒的な世界観は、これまで感じたことのない衝撃を与えてくれます。絵本の中で動く物語は、まるで長編映画のように心に強く残像を残しいつまでも終わらない夢を見ているよう。 作者であるアメリカのイラストレーター、アーロン・ベッカーさんが、映画のデザイナーのお仕事に携わっていることも影響しているのかもしれません。
この絵本さえ持っていれば言葉が通じなくても、どこの国のお友だちとも同じ感動を共有できるかもしれません。ジャーニーの主人公であるわたしは、最後に何を見つけたのでしょうか。
読み終わったら必ず最初のページに戻ってください。 初めて読んだ時には見落としていたとても大事なものに気づくはず!
(富田直美 絵本ナビ編集部)

ニューヨークで話題のベストセラー ひとりぼっちの少女が、ふしぎな赤いマーカーで壁に描いた扉。それは、描いたことが現実になる世界への入り口だった。さあ、想像力の世界へ飛び出そう!

描いたものが現物になる魔法のマーカーを手にした女の子が冒険の旅に出ます。絵本を見ている人をスケールの大きな想像の世界に連れ出してくれ、文字がないのに高揚感でいっぱいになります。行き先で捕らわれた鳥を解放に向かい、その引き換えに自らが囚われの身に。その鳥もまた別の少年が描いたものと分かったところで、続編へとつながります。頭の中で自由に物語が流れ、言葉が溢れだしてきます。字のない絵本なのに、絵本ナビの好評価に納得です。 (ぼんぬさん 40代・ママ 女の子4歳)
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