ボタンがつなぐ、ママとあたしの絆のおはなし。
ママの部屋のクローゼットの奥には、あたしの大好きな箱がある。
ふたを開けると中には…ボタンがいっぱい!
これはママのコレクション、古い洋服を手放す時でもボタンだけは残してたんだって。
葉っぱのボタン、そらいろのボタン、貝殻もようのボタン…どんな服についていたのか、想像するだけで私の時間はどんどん過ぎていっちゃうの。真っ白なシャツに似合いそうだとか、おさかないっぱいのドレスもいいな、とか。
でも、どうしてもわかんないボタンもある。
一体ママはどんな格好をしてこのボタンをつけていたんだろう?
ボタンを見ていると、色んなママがみえてくるんだよね。
ボタン一つから、こんなにたくさんのイメージがふくらんでいくなんて。
女の子ってやっぱり素敵で楽しい。
ママの若い頃を想像するっていうのも、ちょっとドキドキしちゃうよね。
そんな様子を見ていたママが、あたしにくれたプレゼントとは?
うん!これでボタンのかずだけママといっしょ。
ママと娘の心のつながりを、ボタンに託してポップに描きだしたのは直木賞受賞作家森絵都さん。
『ぼくだけのこと』で抜群のコンビネーションを発揮しているスギヤマカナヨさんと再び組んだ作品です。
可愛らしくて、幸せな気分いっぱいになれる1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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