雪の降る夜、ちいさなおばけが迷子になった。
困ったおばけは、通りがかった子に話しかけます。
「もしもし ちょっと おたずねします」
「……きゃあーー!」
当然、その子は驚き逃げ出し、大慌てで家に帰って言うのです。
「たいへんだ! 山の上でおばけにあった。
大きな目玉でぎろりとにらんで…」
それを聞いたばあさんがじいさんに言います。
「山のおばけは大きな口でにやりと笑って…」
おじいさんは、子どもたちに気を付けるように注意します。
「口にはぎざぎざとがった歯がいっぱいで…」
伝わるごとに、おばけの姿はどんどん恐ろしくなっていく。
その話を聞きつけて、一番驚いたのはなんと……!?
せなけいこさんの贈る「真冬の怪談話」はこわい? おもしろい?
もちろん、どちらもです。一番こわいのは、みんなの想像力だったりして、ね。
親子でドキドキしながら読むのも、みんなで大笑いしながら読むのも。
どちらもおすすめの楽しい1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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