さかなつり、かぜまかせ、みちくさ、そしてどんまい。
村上康成さんが20代の頃に描かれたという「くろねこ・ふうた」シリーズには、こんなテーマが並びます。のんびり、ゆっくり、時には立ち止まったっていい・・・子どもたちへのそんなメッセージが聞こえてきそうなお話ばかりです。
第4作目で登場するのは、村上さんがさかな釣りと並んで愛してやまない「野球」をするふうたくんです。
あんなにのんびりしていて、大らかなふうたくん。
あれあれ、ヘルメットをかぶってキリリとかまえていますよ。
大好きな野球をするとなると、さすがに人が変わるのかも?
「さんしん、バッター、アウト!」
「どんまい どんまい」
・・・やっぱり、ふうたくんはふうたくんみたい。
楽しそうなのが何よりです。
ああ、またトンネル。エラーしちゃってるよ。
「どんまい どんまい」
さあ、次の打席は逆転のチャンスです。
「ふうたくーん、がんばって!」
どんなに失敗しても、みんなの応援を一身に受けるこんな子、いるいる。
愛すべきふうたくんに、私だって手に汗握って応援しちゃいます。
野球が好きだっていう気持ちが伝わってくるからかもしれませんね。
楽しませてくれてありがとう、ふうたくん。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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絵本作家をはじめイラストレーション、エッセイ、翻訳家としても活躍するマルチ自然派アーティスト 村上康成が小さなお子様に贈る「ほのぼの絵本」全4巻!
くろねこ「ふうた」と動物たちのふれあいを描いた、やさしい絵本です。自然とともに生きることの大切さ、「立ち止まることで、見えるものもあるんだよ」と教えてくれる名作絵本。ゆったりした言葉のリズムと温かな色彩の絵で、「頑張らない、急がない、ありのままの君でいい」とお子様に語りかける、心なごむシリーズです。
最終巻は、『ふうたどんまい』。くろねこのふうたくんは、野球が大好き。でも、試合では何をやっても失敗ばかり。チームのみんなもガッカリです。でも、好きなものは好きなんだ。うまくなくたって、好きなんだ。そんな、ふうたくんは、いつでも「どんまい」。「上手にできなくたって、好きって言ってもいいんだよ」と教えてくれる、優しい1冊です。
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